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あたしのアサシンがとんでもない件  作者: おにまる
第五章  折れないハート

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73話 揺るがぬ決意



 葉隠れの古城前まで再度やってきた彩音は、モニター越しにキッと睨みつけ覚悟を決めてまた一歩踏み出す。


5階の赤影と9階の黒影は、まぁロックス程鮮やかにとは、言えないがほぼ力押しでどうにか行けるようになっていた。


そして問題の10階の白影の部屋に来た。

まずオブジェクトの位置を確認する。この部屋は入る都度オブジェの位置が変わり、ギミックが発動するときの対応が変わるからだ。彩音は先ほど失敗した燭台の位置をしっかりと頭に叩き込み一歩踏み出す。


先ほどと同じように白影が反応し遅い掛かってくるのでこれを受け躱し背後からのズバババババと削るとすぐに白影が下がり今度は天井に張り付いた。


 今度は、さっき彩音が失敗した燭台飛び乗りで畳替えしを回避するギミックが最初に来たのだ。燭台に向かって飛び乗る彩音だが、やはり焦っているのかせっかく飛び乗れたのに自ら落ちてしまってさらに焦って結局登れず、チーン・・・


いくらトップクラスのベースがあるキャラといえども即死ギミックには勝てない。


がっくりと項垂れる彩音。

また美咲がロックスを復活地点へと帰還させる。


「大丈夫これが普通だから。うちのギルメンなんて20回以上失敗してるって言ってたよ。」


 気を取り直し彩音は葉隠れの古城の前に来て深く深呼吸をした。

(そうだ、もう失うものは無いんだから後はクリアするだけだね。何度だって・・・)

それからの彩音は、美咲から見てもはっきりと変わって見えた。どこか吹っ切れたような、少し楽しんでロックスを操作し、アサシンとしての動きも少しぎこちなさはあるが大分アサシンらしくなって来ていた。


 何度かの失敗を繰り返すも目を背けることなく。すぐに復活拠点より戻り果敢に葉隠れの古城の天守閣目指し突き進む。10階までは、もうすんなり来れるようになった。ただし、そこは多くのアサシンが挑みそして敗れていくように、彩音にとっても非常に高くそびえ立ち、それでも乗り越えなければいけない壁だった。


挑み続ける事、十数回目。白影の部屋に入りオブジェの位置を確認し一歩前へ踏み込む。白影の初撃をー暗雲転身ーで捌き、背後からのズババババで削ると天井に張り付いたのを見てすぐに燭台の前へ移動し慎重に飛び乗り、無事に畳替えしを回避。


その後降りて来た白影の初撃を落ち着いてー暗雲転身ーで躱し背後に回り込む。

ここまでは、いつものパターンだったが、ここから今までの彩音ではなかった。


いつものー心臓一刺しー連打ではなく。ー背馳跳躍ーで白影を空中に蹴り上げる。

落ち着いて転身で空中コンボを決める。

そしてついに・・・


・・・そこだフィニッシュを決めろ・・・


彩音は一瞬ロックスの声が聞こえたような気がした。


ターン!


ー奥義飛燕落雷ー


空中コンボの終わり際に白影をしっかり捕まえ、そのまま頭から床に叩きつけるロックスの姿があった。


「おおやったね、大技でのギミック飛ばし。完璧じゃん彩音!」


彩音に向かって右手をかかげて、彩音が笑顔でそれに答える


パチーン


その二つの掲げられた手は、クエストの達成を祝福する様にいい音を奏でた。


「んー彩音。できたら最後まで付き合いたかったけど、そろそろいい時間だから私帰っても大丈夫かな。」


「ほんとだ!もうこんな時間。今日はほんとにありがとう。」


気が付けば5時間ほどぶっ通しで、モニターにかじりついていたのである。今の彩音を見て美咲はもう大丈夫だと判断したのであろう。昼前に会ったときは一体何があったのかと思うほどに、親友の今までに見た事が無いほど憔悴しきった表情に内心かなり心配していた。


 その頃は彩音の顔つきも力強さを取り戻しつつあった。笑顔も出て来たことで美咲は安心して家に帰ることにした。


「彩音、今度喋るロッくんに会わせてね。」


「うん、今日はほんとにありがとう。今度必ずロッくんに会わせるから!」


玄関先で彩音が美咲と話してたら、彩音の母がその様子に気づいて声を掛けて来た。


「あら美咲ちゃんもう帰るの?晩御飯食べて行かない?」



彩音が美咲に、途中で言えば良かったねと謝ったが、それどころじゃないのは分っていたので美咲は大丈夫、今日は帰るからまた今度という事になった。


「せっかくですが、今日は家に何も言ってきてないので帰ります。また今度お願いします。お邪魔しました。」




彩音が駅まで送ると言ったけど、美咲が、あんたはやることがあるでしょ!と言って玄関まででいいと、そこで美咲を見送った。


 美咲を見送った彩音は、一旦晩御飯にした。思えば今日は朝から何も食べていなくて急におなかが空いてきたのであった。それだけ彩音の精神状態も回復してきたという事で一安心だ。


モリモリ食べる彩音を見て両親もホッと一安心した事だろう。


部屋に戻った彩音はモニターをじっと見つめる


(ロッくん、もうあたしは泣かないから。ロッくんが残してくれた現在があるから、絶対最後までやり遂げるからね!)


これまでに3個の特別クエストを熟した彩音は、諦めなければやり遂げられるという強い自信に満ち溢れていた。


やり残していたクエスト報告を行い【不屈の魂(欠片)】を受け取る3/5になり、彩音の表情も強く明るいものに変わっていった。


(後2個だね、待っててねロッくん)







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