魔界研究所ー2
よろしくお願いします。( ゜д゜)クワッ
何とかタイラントのHP60%での凶悪なハリケーンをやり過ごし、次の50%ラインでまた何か来るであろうことに皆警戒を露わにしながら、HPを削るべく攻撃を繰り出していく。
そしてその兆候を皆が確認した。
デスタイラントが、それまでの狂ったように繰り出していた剛腕を止め、体を丸めるように膝を折り曲げ前傾姿勢をとり力を溜めこむような動作をとった。
バチバチとデスタイラントの体表に稲光が走る。
ーサンダーボルトー
一瞬皆が戸惑った、この脳まで筋肉でできたような怪物が魔法を使ってくるのか!
ロックスは素早くマジックダガーに持ち替えその魔法を切り裂くべく迎撃態勢をとる。
その直後、デスタイラントからボス部屋全体を埋め尽くすほどの稲妻が全方位に向けて放たれたのである。
ーマジックブレイクー
完全なフェイントだった・・・その稲妻は全員に直撃した。
そう、それは魔法攻撃でなく文字通り、デスタイラント自身の体で発電した稲妻であり物理攻撃だったのだ。
それをくらい吹っ飛ぶロックス。
(ヒャ・・・ロッくん!・・・)
きんぐさんも、やんやんさんも・・・皆がその電撃をくらい吹っ飛ばされていた・・・
しかも感電状態なのか、皆が一様に動けないのだ・・・・
絶体絶命のピンチだった。
〔彩音、秘薬使えるか!?〕
(ダメ見たい押しても反応しない!)
秘薬はすべての状態異常を素早く治す効果があるが、行動不能になってしまっては、それすら使用できないのだ。せめて無事なものが一人いればそれを誰かに使うことで、この感電状態を取り除くことはできるが・・・
「動けない!」
「同じく!」
皆も一様にパニックに陥っていた。
〔くそ、物理かよ・・・動け動け動け・・・うぉおおおおお〕
その間にもデスタイラントは凶悪な笑みを浮かべきんぐさんに襲い掛かる。
感電状態で、無防備な状態に向かってその凶暴な拳は振るわれた。
(ヒィ・・・ロッ・・くん・・なんとか・・)
彩音はロックスに逃げてと言いかけたが、言ったところで絶対に逃げないのはわかりきっているので、その言葉を押しとどめた。
まだ全員が動けない中一人、体表に電光をほとばしらせながらその体を起こすものがいた。
ロックスは無理やり体を起こすと秘薬を使った。
感電状態で皆のHPも電撃の一撃と合わせてかなり減って危ない状態だった。
もちろんロックスのHPも半分を切っていた。
秘薬を使った直後素早く、やんやんさんに秘薬を振りまき、ターゲットをとるべくデスタイラントに突っ込む。
「オールリカバリー。盾蘇生!」
ロックスはこの緊急事態に自ら発言をする。必要最小限の伝えることを発する。
(彩音はすでに半泣きで狼狽えるばかりだった・・・)
やんやんさんは、動けるようになった直後全員の状態異常を回復させるオールリカバリーを行使。
だがそれと同時に、既に無防備状態で、殴られ続けるきんぐさんが静かに倒れていくのが見えた。
デスタイラントが次のターゲットに移る前にロックスは一撃を浴びせ、その攻撃を自身に向けさせる。
つぎはお前か、小癪なと言わんばかりにデスタイラントが、その剛腕をロックスに振りかざす。
ー暗雲転身ー
怒涛の連撃とはこの事だろう、鬼気迫る表情でロックスはその凶暴な拳を避けつつデスタイラントをフルスピードで切り刻みその意識を一心に自分に引き寄せる。
やんやんさんもそのロックスの行動の意味を理解し、すぐさま、詠唱に時間のかかる蘇生魔法をきんぐさんに行使する。その間に各自がHPポーションで自身を回復させる。
ロックスが必死にデスタイラントのタゲを受け持ち時間を稼ぐ間に、ようやくきんぐさんの蘇生が完了する。自身のHPポーションとやんやんさんのヒールによりその盾職特有の膨大なHPを回復させる。
「助かりました、ロックスさん!」
すぐにデスタイラントに向き直り、防御系バフを発動させ、ヘイトスキルを行使する。
ロックスはその攻撃の手を緩やかにしながら、きんぐさんにボスタゲを移行させる。
タゲがきんぐさんに固定されたのを確認し、皆も攻撃を再開させるのであった。
(ふぅ・・・心臓がとまる・・・)
彩音も忘れていた呼吸を大きく吐き出した。それほどの息の詰まる危機的状況に見えたのだった。
このクラスのボスになると自己回復力もすさまじく、並みの火力ではPT全員で攻撃してても回復していくことがある。
それをロックス単身の攻撃で食い止めつつ時間稼ぎをやってのけていたのである。
各自が先ほどの対処をどうすればいいか考える。
きんぐさんはパーフェクトプロテクトを使えばよかったと後悔した。
ロックスはー明鏡止水ーをもったいぶって使わなかったことを後悔した。
だが捕らわれるな敵はまだ目の前にあり!
「捕らわれないで、緊急回避を含め現在を生き延びよう!」
全員のきれかけた集中力を戻すべくきんぐさんが皆に呼びかける。
そう、今大事なことは後悔することでなく、備えることだ。
次の凶暴な一手をどう防ぎ乗り切るか、今の一言で緊急回避を頭の片隅において備える。
皆が集中を取り戻し、備えつつ最大火力を与え続ける。
そして安定してデスタイラントのHPを削っていきそれは30%まで来ていた。
その時は、静かに近づいてきた・・・
その凶暴なる攻撃を止め、また体を丸め始めるデスタイラント・・・
今度は前回よりさらに前傾姿勢に、膝を屈伸させていた。
「全員最大警戒態勢!」
お付き合い頂きありがとうございました。
連載始まって以来の最大のピンチ!
次回予告 全滅!!??




