交流戦
よろしくお願いします。
「 いよいよこの時が来ましたね。」
「後は皆を信じて戦うだけですね」
クレイジーギアとOMGギルドの交流戦というプライドをかけての戦いに向けて、PVPエリアへと皆移動していた。
それぞれ、この日の為にできうる限りの装備やスキルの見直しをし準備をしてきた。
後は最後まで折れない心と落ち着いたプレイだ。
「こんにちは、やんやんさん。いよいよですね。」
「こんにちは、たっくんさん、今日はよろしくお願いしますね。」
やんやんさんと、たっくんが挨拶を交わす。
PVP専用のエリアでの勝負ということで、他のギルドの人たちもどこからか、クレイジーギアとOMGの交流戦の情報を聞きつけ、多くのギャラリーも集まってきていた。
まずは5番勝負からということで、先方から大将までの総当たり戦で3本先取したほうが、勝ちとなる。
タイマン勝負ということで、職による優劣もあるが、一番の勝負の分け目は、PVP実装とともに新しく加わった、緊急回避スキルの使用所だろう。
これはスタンや、束縛、転倒状態でも無敵バックステップで回避できるという言わば、エスケープ機能だが、一度使うと45秒のクールタイムが設けられており、頻繁に使うことができないため、再度すぐにスタン等の状態異常にかかると詰みの状態になる場合がある。
よって危機的状況でも相手が次に何のスキルを出そうとして来てるかを見極める必要がある。
慣れているものほど、エスケープを吐かせるために最大火力スキルは温存し、フェイクスキルで誘導してくる。
よって、エスケープする場合は、その後の展開が有利に持っていけるスキルのクールが開いてるかも確認するなど落ち着いた対処が必要になる。
「んじゃあちしの出番だね。」
クレイジーギアの先鋒として魔導士のあっちゃんが、先陣を切る。
対してOMGから弓術士のハヤトさんが出てきた。
これはいささか、あっちゃんが職的にはやや不利だが、予め直前にお互いの選出メンバーを開示してるため相手を見ての入れ替えはできないようにしてある。こればかりは運もある。
「ハヤト負けたらぶっ殺すよ!」
「あっちゃん、落ち着いてね。」
お互い緊張した面持ちで、スタート位置に対峙する、お互い20mの距離を置いての対峙だ。
ギャラリーも含め両陣営この時ばかりは、息を飲むかのように静かに開始の合図を待つ。
公平を期すためにギャラリーの第三者に開始の合図をお願いする。
「開始!」
お互い開幕にそれぞれの能力向上のためのバフをかける。
ここでも防御を優先させるか、攻撃面を優先させるかで流れが変わる。
最低限のバフをかけお互い先手を狙うからだ。
あっちゃんは相手が弓術ということで物理ダメージを半減させるエナジーコートをかけ素早く間を詰める。
対してハヤトは移動速度向上とダメージ向上のバフをかける。
わずかにあっちゃんの方が速いか。
ーファイヤァウォールー
主に行動阻害目的の火の壁をハヤトの目前に出現させる。
ハヤトがどちらに回り込んでくるか慎重に見極め動いた先に素早くL字にもう一度ファイヤァーウォール
ーコメットー
若干有効リーチの長い魔法の長所を生かしあっちゃんが、追い詰める。
しかも詠唱の短い低レベルのコメットで相手のスタンを狙う。
ハヤトもコメットの設置魔法陣外へと脱出を試みるもコメットの端がわずかに被弾する!
ぎりぎり逃げれない距離を火壁で囲んで片方の逃げ場を防いで、あっちゃが、設置してるのだ。
これも練習の賜物か。
相手のスタンが入ったのを確認し、ここで一気に仕留めるようにあっちゃんが詠唱を始める。
ーバーニングヘルー
だが相手もその詠唱を確認してのエスケープ!
ーロングレンジアローー
ハヤトも十分魔導士対策はやってるようで、長距離射撃スキルで詠唱を疎外する。
ーウィンドムーブー
更に移動速度向上のバフを重ね掛けしたハヤトが猛然と距離を詰めに来る。
ースタンアローー
ーシャープシューティングー
貯めの長い高威力のシャープシューティングを見て、あっちゃんもスタンから、エスケープ。
これでお互い緊急スキルは吐いた。
即座にあっちゃんが、物理障壁を出すも、相手の威力が上回って即破壊貫通。
ースタブアロー
距離を詰めつつハヤトがリーチは短いがノックバックのある射撃で削っていく。
あっちゃんも即発動のファイヤァーアローで対抗する。
こうなるともうどっちが先に倒れるかの勝負だが、物理防御の低い魔導士は若干不利だ。
お互いHPは残り僅か・・・
ほんの一矢の差か、あっちゃんのHPが先に尽きその攻撃が途絶える・・・
一瞬の静寂のあとの大歓声。
ギャラリーも両陣営も声をあげる。
「ナイスファイト」
戻ってきたあっちゃんに皆が声をかける。
「すごい試合だった。お疲れ様でした。」
「ごめんよーあちしまけちった・・・」
「どっちが勝ってもおかしくない試合だったよ。」
「こうなったらあちしの本当の姿を・・・」
「えっ」
お付き合い頂きありがとうございました。




