プライド
よろしくお願いします。
(大丈夫かな?ロッくん、あんな事言ったけど・・・)
〔まぁーいまさら言ってもな、やるだけだよ。〕
つい勢いと、お世話になってる感謝の気持ちと高鳴って、なんとかギルドの役に立てればと、話に乗って本当は参加したくないのが彩音の本音だが、PVPに参加する羽目になったロックスであった。
それぞれの今まで積み上げてきた意地とプライドをかけ、全身全霊で勝負に挑む。
それが、MMORPGのPVPである。
各自が来る日に向けて牙を研ぐ。
あるものはスキルを見直し。
あるものは装備を整え。
ある者は、仲間と対人練習に励む。
ただ一人を除ては・・・
ロックスは今日も普段と変わらず魔界にてオーク狩りに励む。
(ロッくんこんな所で狩りしててもいいの?)
〔いや、なんかやりたいことあったら、それ行って良いよ?〕
(いや、そうじゃなけどさぁ、あたしPVPとか良くわかんないからさぁ。)
〔心配すんな、俺は全対応型スタイルだ。しっかりPVPも視野に入れてる。〕
(ロッくんがとんでもなく強いアサシンだってことは、わかってきたけどさぁ・・・)
〔彩音は心配性だな。装備も揃ってるし、強いて言えば、後はレベル上げだからまかせとけ。〕
ロックスの尋常じゃない殲滅速度と魔界の経験値のうまさが合い重なって、早くもレベル90がもうすぐのところまで来ていた。
最近では襲ってくる者も、めっきり来なくなり狩りは捗る一方だった。
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クレイジーギアのメンバーも来る交流戦に向けて着々と準備を進めていた。
「みんなの為に究極の勝負飯ツクルアルネ!その為の素材集めの旅イッテくるね!」
ちゃー・すーさんは、PVP用の勝負飯を作る素材集めに励んだ。
「ちゃー・すーさんいつもありがとうございます。手伝うことあったら言ってくださいねー。」
「ありがとうございます。もし強敵の素材がいるときは声掛けさせてもらいます。」
マスターのやんやんさんは、いつも周りをよく見て声掛けをしてくれる。
常に周りに気を配りながら行動できるヒーラーという職業がぴったりな人だった。
回復がメインなヒーラーでもPVPとなると、対モブとは装備を更新しなければいけない。
何しろ対人だとヘイトというものが働かないので常に狙われる立場になるので、装備も耐久仕様にしなければならない。PVPで、真っ先に狙われるのがヒーラーだが、これにはいくつか論ずる場面もある。
タフなヒーラーはなかなか落とせないので、紙装甲の後衛火力を先に落とすか、攻撃側の火力とヒーラーの耐久度によっても変わってくるだろう。
よってタフなヒーラー程PVPでは、活動の範囲が広がる。
「私も少しでも耐久上げておかないとね。」
「素材集めにいきますかー?」
「行くー」
「是非とも」
「行きたーい」
きんぐさんが声をかけると皆が待ってましたとばかりに参加希望の声を挙げる。
盾とヒーラーと火力。この組み合わせだとどの狩場でも怖くない。
それぞれ単独ではどうしても狩り場等限定されて、思うように装備の作成素材等集められないときがあるが、お互いが足りないところを補い合い、順番に目的の素材集めのためのモブを狩りに行く。
そう言った声がかけやすく、また参加してくれる人が多いほど、ギルドの結束も堅く、強い。
一人が皆の為に、皆が一人の為に、それぞれのプライドを守りぬくために強さを求める。
それがMMORPGでもある。
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ーOMGギルドホールー
「みんなわかってると思うけど、僕らはこの戦いだけは負けるわけにはいかないからね?
この中でひよってる奴いる? いねぇーよな!?」
「それ言いたいだけだけでしょw」
「それたっくんだけでしょw」
「だよなw」
日ごろからどうやればPVP勝てるか、どうすれば倒されないのか、そればかりを研鑽しながら過ごしてる者の集まりにおいて、今更装備の準備は必要なかった。
強いて言えば、戦術の見直し。PVPとはある意味詰将棋に似た感覚だ。
相手の行動を読み、躱し、相手がいかに嫌がるスキルを重ね、緊急脱出系スキルを吐かせてから、詰ませる。
「んじゃ今日の対戦組手発表するよー」
「うっす!」
「誰でもコイや!」
OMGでは、日頃からたっくんの指示した対戦相手とPVPの模擬戦を行っていた。
ギルドメンバーの職種や行動パターンから、得意な相手や不得意な相手など考慮しながら日々相手を入れ替え、お互い研鑽しているのである。
来たる日に向けてそれぞれのプライドにかけて、己の為、仲間の為、負けられない戦いの為、研鑽を続ける。
辞められない、止まらない。
それもMMORPG
お付き合い頂きありがとうございます。




