樹海の王者
よろしくお願いします。
それはあふれる力を抑えきれないかのようなオーラを放ちながら
明らかに周りの威圧する眼差しで、その体躯は全てを破壊する力を秘めたように
力強く、そして大きかった。
その名も「オークロード」。
魔界エリアの奥地の樹海に君臨するフィールドボスだ。
オークロードだけでも困難を極めるだろうと思われるのに
最初から周りに屈強な取り巻きを5体も引き連れているのだ。
彩音は一目見て恐怖を感じた。
(だめだよ!ロッくんあれはやばい。)
〔あぁわかってるさすがに自殺行為だな。〕
オークロード単体ならロックスであれば、時間はかかるだろうが
物理主体のオークロードは何とかなるだろうが
最初から、ハイオークが5体も護衛してる状態で
ソロで飛び込むのはさすがに無謀だろう。
少なくとも盾と取り巻きを殲滅する火力とヒーラーがいるだろう。
〔当面の目標ができたな〕
(そ、そうだねみんなで行かないとね。)
彩音はロックスがオークロードを見たとたん飛び込むんじゃないかと
ハラハラしてたが、とりあえずはこらえてくれたようなので安心した。
その矢先だった。背後から忍び寄る盾職のプレイヤーが襲い来る。
初撃をー暗雲転身ーで躱しハイド状態になる
盾の後ろで魔法詠唱してる魔法職のウィザードを見逃さないロックス
すぐさまウィザードにターゲットを変え、パパンパンとクリティカル音を、
響かせ速攻沈める、次に前衛職の格闘家にターゲットを変える
これまたパパンパンのクリティカル音で沈めて最後に残るは盾職
盾職は高耐久力とリフレクトシールド等の物理反射を持ってるため
集団の対人戦では、倒す順番の序列では最後になる。
なぜかというと高耐久の盾を相手にしてる内に後衛から
ボコスカ攻撃食らって沈んでしまうからだ。
そのセオリー道理にロックスは後衛火力から潰し
次に耐久の低い格闘家、そして最後に盾職だ。
ちょうど二人をやったところでハイドが切れるので
盾職がダッシュ攻撃で突っ込んでくるのを読んで
ー暗雲転身ーで躱し背後に回り込み
ー背馳跳躍ー
空中に放り出されたところを追尾で空中コンボ
さいごにー奥義飛燕落雷ー
これでも死なないのはさすがに高レベルの盾職だ。
すぐに起きてくるのを見越しての地雷設置
空中に放り出されたところに毒蜘蛛金糸
最後に空中コンボを入れてさすがの盾も沈んだ。
(な、なんなのあの人たち・・・)
〔遅かれ早かれ来るだろうとは思ったけど。〕
PvP可能エリアでソロ狩りしてるプレイヤーは、
Pker達の恰好の的になるだろう。
特にロックスは名前が売れているので、そういう者たちからすれば
一度は挑戦したい相手であろう。
〔彩音は優しいからなぁ・・・〕
(ん、どしたの?)
〔今のような奴らは、これからも沢山来るぞ。〕
(どうしたらいいの?)
〔本来は襲ってきた相手を徹底的に叩いて、二度と襲おうと思わせないのがいいが・・・〕
(それは、あまりやりたくないし・・・ギルド的にも・・・)
〔そうだな、まぁ襲っても無駄だと思わせるくらいに圧倒的に倒してやるさ。〕
とりあえずは、ここのオークでレベルを上げつつ襲ってきたら返り討ちにする。
もともとゲリラ戦には強いアサシンの上ロックスなのだ。
ソロでのほうが動きやすいこともある。
しばらくオークを狩り続けること数時間、その間にも何人か襲ってきたが、
そのたびに完膚なきまでに返り討ちにしてやった。
それも無傷で、襲っても無駄だと思わせるほどに。
二度ほど同じプレイヤーが来たが二度もパーフェクトに倒されるとさすがに、
心折れたのか来なくなった。
最初はプレイヤーが来るたびにびくびくと反応してた彩音も、
次第に余裕の態度で、あの人二度目だねっと、落ち着いて見れるようになってきた。
おそらくロックスを襲った者は仲間内であいつはやばいという話になってるであろう。
しばらく狩り続けレベルもさらに3レベル上がって84になってた。
彩音も余裕が出てきて、今ではうつらうつら眠そうにしてた。
〔彩音起きてるか?〕
(ん?起きてるよ)
〔これからが始まりだといったの覚えてるか?〕
(うん、今まではチュートリアルだったんでしょ?)
それからはロックスはゆっくりとしゃべり続けた。
これからおそらくはギルドのメンバーと魔界を攻略していくことになるであろうこと
それには一緒に参加して彩音にも楽しんでほしいという事。
だが、これからはロックスも未知なので少なからずリスクは伴うという事。
そして・・・
万が一ロックスが死んでも決してこのゲームをやめないでほしいという事。
そこまで話したところで彩音は泣きそうな顔になった。
(嫌だよ、そんなの考えられない!ロッくんのいないフェアリーなんてやりたくない!)
〔彩音、最後まで落ち着いて聞いてくれ。〕
元々は彩音はロックスがこのような自我のあるキャラと知らずにやって、
楽しんでた頃を思いだして欲しいと話し、時間の許す限りはゲームを楽しんでくれと
ロックスは彩音に頼んだ。
(それでも、もう今となっては無理だよ、あの頃にはもどれないよ・・・)
〔そうか、んじゃここからが本題だ。〕
そしてロックスは話をつづけた。
自ら死ぬつもりはこれっぽっちもないが、万が一死んだら
俺を復活させる方法を探ってくれとの事だった。
(復活させる方法があるの!?)
〔俺はそう思う、これはゲームなんだし、おそらくはそれも考慮した俺じゃないのかな〕
(ほんとに?嘘じゃないよね?)
〔だから彩音に万が一の時が来ても、諦めないでゲームを続けてほしいと思ってる。〕
彩音もすっかり眠気も飛んだのか真剣な表情で考え込んでいた。
もしかしたらロックスが辞めないように考えた言い訳かもしれない。
でもゲームなんだから、復活させる方法があるのかもしれない。
(とりあえずは、分かったけどなるべく死なないでね。)
〔自ら死ぬつもりはこれっぽっちもねぇよ。〕
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