葉隠れの古城ー前編
よろしくお願いします
フェアリーの一日は現実世界の4時間に相当する。
一時間ごとに朝昼夕晩と時間が過ぎていき、
それに伴った色鮮やかな世界を演出する。
昼間の陽に照らされた湖の反射も綺麗だが、
夕日に照らされ朱に染まった湖や山脈もまた見てて飽きない。
そんな景色を楽しむ彩音を横目にロックスはとある、村にやってきた。
「葉隠れの里」である。
その村は山間の自然豊かなところにひっそりと佇んでおり、忍者ファンには、たまらない場所だ。
(ここがそうなの?)
〔そ、そうだな、もっと奥に行こう。〕
いい景色があると嘘をついて彩音をその気にさせたが、
実はこの奥にあるダンジョンが目当てだった。
この葉隠れの里のダンジョンの奥にいる三人の伝説の忍者の残影を倒すと
アサシンには欠かせないスキル「二刀流」と「葉隠れ双刀」が得られるのだ。
現段階での最終装備ともなってるので、適正レベルは80だった。
現在ロックスはギルダンでの膨大な経験値も得て65になってた。
現在の装備とレベルで、ロックスの算段では十分な勝機があると見た。
(何ここ?古城?ほんとにここ?)
〔あぁ、ここの天守閣から見る風景は絶景だ。〕
たしかに天守閣からみれる絶景はあるので、嘘とはいえないだろう・・・
そしてロックスは葉隠れ古城に一歩踏み入った。
いきなり仕掛けられたギミックが作動し槍が飛んでくる。
ー暗雲転身ー
難なく躱しハイド状態になり先を急ぐ。
アサシンはハイド状態になると足が速くなり心臓一刺し以外のスキルを使うとハイドが解除されるが、
ハイド状態の時は心臓一刺しのリキャストタイムがなくなり連打可能となるという利点もある。
これにより驚愕の高火力をたたき出すことがでるのだ。
彩音が感づく前にさっさと先に進めるべく先を急ぐ。
バッサバッサと切り進むうちにあっという間に5階まできた。
ここにいるのが伝説の「赤影」で、火遁を得意とする。
(ちょっとロッくんなんか強そうなの出てきたよ!?)
〔まずは小手調べってとこかな。〕
ロックスが近づくと、先制とばかりに火球弾を飛ばしてくる赤影だが、ロックスはその攻撃に暗雲転身を合わせる。
こうなれば後はハイド状態の心臓一刺しで連打ズババババババと凄いクリてかる音とダメージでゴリゴリ赤影のHPを削っていく。
一気に残り20%まで削ると赤影が呪文を唱え始める。
特大火球のお出ましだ。
待ってましたと、特大火球に合わせる。
ー明鏡止水ー
ドーーーン
その受付有効時間0.2秒。
攻撃が当たる瞬間に発動させなければ、攻撃を無防備に受けて待つのは死だ。
だが成功すれば、その攻撃のダメージを無傷でそのまま返せ大ダメージを見込める。
これを100%成功させるアサシンなんていないだろうロックスを除いて。
そのカウンターを受けて赤影が消滅する。
(ちょっとロッくん危ないよ!)
〔大丈夫だよ〕
(死ぬかもしれないんだよ!怖くないの?)
〔だって俺ロックスだし。失敗しないし。〕
ハラハラして画面を見つめる彩音に対して、何か?みたいな涼しい顔して大技を決めるロックスに彩音は言葉が続かなった・・・
何事もなかったようにバッサバッサと階を進めるロックス。
ふくれっつらで画面をにらむ彩音。
気が付けば9階までやってきた。
そしてここが伝説の忍者の残影「黒影」のいる階だった。
一歩足を踏み込むと黒影は姿を消しハイド状態になる。
ロックスは足元に数個の地雷を設置。
姿は見えずとも攻撃しようと近づいてくればボカンだ。
案の定地雷を踏んで吹っ飛ぶ黒影。
その隙をロックスが見逃すはずもなく
素早く下に潜り込んでー背馳跳躍ー
これは、大地を背中に敵を蹴り上げ空中に放り投げる
奥義飛燕落雷につなげる始動技だ。
転身で空中に放り投げられた黒影に追尾し
しっかり空中コンボで追撃したあとに
ー奥義飛燕落雷ー
一連のコンボで黒影は敢え無く消滅
これでスキル「二刀流」ゲット。
よし残すは10階の白影のみだ。
ここは敢えて彩音に有無も言わさず
次に進めるように確殺コンボで終わらせた。
ここまでは、そう難易度は高くない。
一般のプレイヤーでも適正レベルまで達すれば。
おおよそクリアできる程度の難易度に設定されている。
問題は次の10階だ。
ロックスをもってしても成功率は50%といったところだろう。
そのことは彩音には黙っていた。
言えば間違いなく強制帰還だろう。
覚悟を決めて次の階に歩みを進める。
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