奪われる対価
「お前は…」
俺の後ろで校長が呟く。だがその瞬間目の前の女…戒魔はその引き金を引きかけた。その刹那、
「空間転移」
俺はこの場にいる5人全員を体育館内部に転送する。
「ここなら好きに暴れられるな」
ここは以前、鈴の能力を強化したあの体育館。どこまでも広い空間…そして死亡したら即復活エリア。ここから逃げるためには、戦いに勝たないと無理だ。
「……はめましたね……」
戒魔は俺を睨む。そんな戒魔に挑発気味にモノにつていた発信機を見せ、破壊する。
「さぁ…これでお前は詰みだとは思うが?」
この体育館は訓練用。それこそXクラスの全力でさえも耐えるほどに頑丈に作られている。中からも外からも。ゆえにあの狙撃に警戒する必要はない。
「別に…やりようはいくらでもありますよ」
戒魔は銃をくるくると回しながら余裕そうに言う。
「破戒:加護破壊」
その詠唱後戒魔は天井に向かって1発撃つ。その瞬間、轟音が響いたかと思えば天井が音を立てて崩れ去る。
「おいおい…マジかよ」
ネアは戸惑いながらも落ちてくるがれきを相殺する。
だが俺たちは狙撃の警戒をしなければならなくなった。それに戒魔がいつでも逃げれるようになってしまった。
俺ははぁっとため息をつく。どうやら迷っている暇はなさそうだな。
「学校長。お前の要求を呑もう」
俺のその言葉に学校長はふっと笑う。
「交渉成立だ」
その瞬間、崩れてきていたガレキがぴたりと止まり元の天井へ戻っていく。やがてそれはパズルのようにぴったりとはまり、元の体育館に戻っていった。
「事実変換…厄介な能力ですね」
そう言いこちらを睨めつける戒魔。
「開戦だな」
俺はにやりと笑うのであった。




