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高度な心理戦
「お兄ちゃん!!」
その声が聞こえた時にはすでに俺の目の前まで弾丸が迫ってきていた。魔力防御壁は誰も間に合わない。だが、俺は止まらずにその弾丸に防御無しで突っ込む。
「強制共鳴:貫通」
そうして俺に弾丸が命中するその刹那、その弾丸は俺の体をすり抜けていった。
「その能力は…」
さっきまで表情をあまり出さなかった戒魔だったが今は明確に表情を出している。
「どうせXクラスの人間は学園の能力者の能力なんぞすべて把握しているだろう」
だからこそ俺が新しい支配能力を使えば使うほど警戒され、やがて完封される。だからこそあえて単純な能力を使う…いや、借りるのが決定打になる。
俺は全力で固めたこぶしを戒魔の隙だらけの腹部に振りかざす。
「!!」
戒魔は防御の姿勢を見せるがそれよりも早く俺のこぶしが直撃した。
「ッ!!」
戒魔は俺のこぶしの勢いに押され、3メートルほどノックバックし、腹部を押さえている。だが俺はさらに追撃を加えるべく戒魔との距離を縮める。
だが戒魔はどこから出したのか拳銃をもう一丁握っていた。だがその拳銃の銃口はこちらを向いていない。
「難戒:弾道操作」
戒魔の上空に放った弾丸は普通の弾丸ではない。まるで照明弾のように夜空に光っていた。




