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雨
「お前はこの学校のことをなめすぎていた…これでも能力者の学校だぞ?」
俺はそう言いつつその額に刺さっているその刀を引き抜く。引き抜いた部分からは黒い煙が出てきた。その煙を目で追おうとするが振ってきた雨がそれを防ぐ。だが、俺が短剣で空を切ると煙は剣に吸い込まれるように消えていった。
倒れてくるモノを受け止め、額の傷口に手を当て、詠唱する
「共鳴時空支配:ロストタイム 共鳴支配:モノ」
俺がそう詠唱すると、その傷口は時が戻るようにふさがる。そして、その少女はゆっくりと目を開けた。
「どういうこと!」
「あの生徒は何者なんだ!!」
そんな声が生徒から…いや、教員から聞こえる。そんな中そんな意味のない疑問ではなく、この場で最も重要な疑問が聞こえてきた。
「一体何が起こったんですか…?」
その言葉はひどくおびえていた。俺はその言葉の主の名前を思わずつぶやいてしまった。
「彼方…」
彼方は俺の目をおびえながらもまっすぐに見つめている。こうなった以上あのバカの処分より先に伝えておかないといけないか…
「仕方ない…彼方、鈴、モノを連れて俺の部屋にこい」
俺はそう言い残し、もはやならない試合終了のコールを待たず、急いで部屋に戻ったのだった。




