試合開始の笑み
それからというもの、俺は授業を真面目?に受け、昇格試合までを過ごす。ここ最近で入った話題と言えば、モノが俺の昇格試合の次の日にこの学校最強のやつと決闘をするということぐらいだ。
「どうなることやら」
俺はどこか人ごとのように机に座って窓の外を眺めていた。
「目立ちたくないんだけどな」
そうだ。俺は目立ちたくなかったはずなのだ。なのに今、目立ちたくないと強く思わなくなった。
「ヤバイ…平和ボケしてしまってる…」
俺は頭を抱えぶんぶんと横に振る
「色々考えてみるか…」
~試合前~
「結局何もわからなかった」※ここは控室です
考え事をしているときだけ時間が早く進む現象が起きてしまった…
「まあ…どうせやるなら…」
俺はそうつぶやきながら運動場に出る。
「全力で…だ」
顔に巻き付けたフードを閉め、そう俺は呟く。
運動場に出てあたりを見渡すと、尋常じゃないほどの生徒がいた。その後、前を向きなおすと以前モノと戦ったやつがいた。
っていうかあいつSクラス1位じゃなかったか?何でおれがいきなりそんな奴と戦う羽目になったんだ…
そんな時おなじみの校長のコールが入る。
「試合…開始!」
その瞬間、目の前にいた男は俺の眼前に迫っていた。右手にはこいつの武器と思われる斧が握られている。
以前は使っていなかった…いや、使う前に倒されたのか…モノとの一戦を学習したのか…会話で時間を稼がせてくれる様子はなさそうだ。
俺はそいつの攻撃をかわしながら冷静に分析をする。
「まあどっちにしろ…負ける気はさらさらない」
俺はほんの少しだけ斧を右手で受け流すと同時に、左手でその男【ガール】を後方に吹き飛ばす。
「これで距離ができたな…」
俺は能力を発動させる。
【物質支配:ブラックアウト】
俺がそう詠唱すると、この運動場と校舎の間に真っ黒い壁ができた。
「これで…俺もこれを使えるな」
俺はフードを取る。俺の素顔にガールが気づいた時目を見張った。
「お前は…どういうことだ?」
困惑気味でそんなことを言うガール。たとえ聞かれようと俺は答えるつもりはない。まあ…この空間のことぐらいは開示してもいいか…
「この空間は外部との視覚を完全に遮断している。またこの中で起きたことはこの空間を解除するとき記憶が消去される。ここはそんな空間だ」
俺はガールに一方的にそう述べたあと、ナイフ…いや、短剣を取り出し、その刃先をガールに向ける。
「試合開始だ」
俺はそう宣言しつつ、笑みを浮かべるのであった。




