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小さな悪夢が生まれる時 11話 開戦の一撃
私たちが屋台を回り始めてどのぐらい過ぎたかわからない。けれど、あたりはすっかり夜になっていた。
「楽しかったか?」
お師匠様がたこ焼きという食べ物を持ちながら言う。
「はい」
私はその道を歩きながら話す。あらかた遊び終えた私たちは少し外れた小道へときていた。ここには屋台の音が聞こえてくるしそれにまだ食べ物の匂いが残っている。今はお師匠様が進む道を私がついていっている。お師匠様は私の事を止めたが、私が無理やりついてきたのだ。
「そうか」
そんなことを言うお師匠様。その顔はどこか真剣だった。
「?」
私が不思議そうな顔をしているとお師匠様は呟く。
「あの雰囲気をお前は初めて見ただろう?」
その声はどこか優しげだった。
「あの世界を忘れるな…どんなことがあっても、お前はあの中にいるべきだ」
疑問符を浮かべる私に淡々と話すお師匠様。
「さぁ…ついたぞ」
目的地だと思われたその場所には大きな桜が咲いており、その木の前にセロとセロの頭を撫でている一人の男が立っていた。
「来たぞ」
お師匠様がそう声をかけると同時、一つの銃声が響き渡った。




