小さな悪意が生まれる時 5話
私がお師匠様に体術を教わり始め、半年が過ぎた。
「あなたはここにいつまでいるつもりなの?」
私にそう話しかけるのは私と同じで無能力者の{セロ}。彼女はこの『能力者収容施設』の中での7人の実力者のうちの一人の妹らしい。私の2つ年上って言ってたけど
「お師匠様についていくから…」
「ふ~ん…よほどあの方を気に入ってるのね」
そんなに私はあの方を気に入ってるんだろうか?そんなことを考えているとセロさんが私に言う
「なら今度の休みに外出したら?」
「外出?」
私はここにきてからというもの、外に出たことはない。ここから出る方法は正面にある大きな門を通るしかない。けど、許可がいる。その許可は例の7人に特定の時間帯だけ与えられる。だから普通は私たちは出られない。けれど6日後…1年に一度、特定の腕章をつけることで1日外出が許される。
でも私はお師匠様に頼まれて今までずっと留守番してきた。
「お師匠様に頼んでみる」
私がそう言うとセロさんは
「もし外出することになったら一緒に街に行こうよ!あなたのお師匠様も私のお兄ちゃんもいるよ!」
とても明るくそう話す少女。けれどその声とはちがいボロボロの服。元は真っ白の服だったんだろうか?少し黒ずんでいる。外出の目的は主に生活必需品の調達…だけどこの何もない場所よりかは娯楽は外の方がある。浮かれるのは当たり前。とかいう私も少し浮かれてる。
「お師匠様がいるんなら…行く」
「決まりだね!」
この6日後 能力者と無能力者の戦争の引き金になるとは、この時だれも予想していなかった。




