追跡の手
俺たちは今人通りが少ない裏路地を走っていた。
「別にここを通らなくてもよかったな」
正直目的地を目指すうえで遠回りになってしまうのだが、学校からの追っ手を警戒してのことだ。
「本当におってなんで来るんですか?お兄ちゃん」
そうスズリが言う。
「ああ、間違いなく来るな」
あの学校は思っている以上に警備は堅い。ましてや人が一人死ぬようなことがあれば簡単にばれるだろう。
「まあ、今は幸いにも深夜だ。多少の猶予はあるだろうがな…」
そんな軽口を交わしながら俺たちはひたすらに走っていた。誰もおらず、街頭だけが立ち並ぶ道を。
そんな時だった。
「まずい…」
俺がそうつぶやいた時だった。
「うぐっ」
俺の後ろにいたスズリがそんな声を漏らす。見ると右足に1本の矢が刺さっているのが見えた。
「大丈夫か!?」
俺がスズリの方に一歩踏み出そうとした時、俺の鼻先を同じ矢がかすめた。
{今の感じ…}
俺はスズリに駆け寄ると矢が飛んできた方向を見る。どう見てもT字路なのだ。90度曲がる矢なんて普通じゃまずありえない。つまり…
「弾道操作か?」
「残念!はずれ!」
俺が言葉をこぼした瞬間聞き覚えのある声がスズリの方から聞こえた。
「お前が来たのか…ジズ」
見ればそこにはスズリをの背後にいるジズの姿があった。
「まあ、私も学校の生徒だからね?借りがあるあなたの敵になるのは残念だけど」
そう言い彼女は弓矢をスズリに向け構えた。スズリはとっさの事かスズリから距離を取ろうとするが先にスズリが矢を放ちスズリの右手の肘を貫いた。
「!ッ」
スズリは苦しそうにしながらも、即座に戦闘態勢に入りジズに反撃する姿勢を見せる。
俺はそれをただ茫然と見ているしかなかった。
次話投稿に少し期間があくかもしれません。




