デート{後編}
俺たちは今、観覧車の搭乗口にいる。
「一周20分みたいだな…この観覧車」
そう俺がそばにある看板を指さす。見上げると夕焼けの日光をバックにそびえたつ観覧車がある。
「さぁ!乗りましょうか!」
そう俺は言われ回ってきたゴンドラに押し込まれる。
~観覧車ゴンドラ内~
「これが最後ですから!しっかり楽しみましょう!」
そうスズリが言う。その目はさっきまであった光が消えているように見える。その顔は本当に落ち込んでいる。
「何でそんな顔をしてるんだよ…お前は…」
俺はあきれたようにそんな言葉を吐いた。この空気を変えれたらなと思ったからだ。俺たちの顔を夕焼けが照らしている中スズリはうつむく。
「だって…これで最後じゃないですか…?」
そんなことを言うスズリ。確かに今日の依頼はこれで終わりだ。だがまた別の日に来ればいいじゃないかと思っている自分がいる。何をこいつは焦っているんだ?
そんな思考を巡らせている中スズリが口を開く
「また…依頼してもいいですか?」
その言葉の意図は分らなかったが、俺は答える。
「ああ…何かあるんだったらいいぞ?」
スズリはクスリと笑い、外を見る。
「本当にやさしいですね…お兄ちゃんは」
そしてスズリは言葉を紡ぐ。とても真剣な顔で、その衝撃の一言を。
「そんなお兄ちゃんに、私を殺してほしいです」
そんな一言を。
気が付けば俺たちが乗っているゴンドラは頂上にいるのであった。
「どうゆうことだ?」
俺は素朴な疑問をスズリに投げかけた。
「言い方が悪かったですね…人は変われません…だから…」
スズリはうつむいていた顔を上げ微笑を浮かべて、言う。
「もし道をまた踏み外したら…止めてくほしいです」
俺はその言葉の意図は分らなかった…いや、分かりたくなかっただけなのかもしれない。
俺たちの間に沈黙が流れる。ゴンドラが1週回りスズリがゴンドラから降りるとき、スズリがくるりと振り返りいたずらっぽい笑顔を浮かべ、
「な~んてね?お兄ちゃん!」
と言うのであった。
~学校・校長室~
「へえ~?そんな楽しいことがあったんだな…」
そうからかうように言うのは校長だ。あの後スズリは自室に戻り、俺は依頼の内容を報告していた。だが、簡単に話したあたりで俺に睡魔が襲ってきたので校長に言う。
「もういいだろ?今日は疲れたんだ、時刻も9時を回っている。詳しいことは明日でいいだろ?」
俺は鬱陶しそうにそういうと校長は渋々了承し俺は寝るために自室へ戻る。
~自室~
布団を退き寝るしたくを着々と揃えていく。コーヒーを飲む気力すら残っていない俺は寝る準備が敵たとたん布団に潜り込み目を閉じる。こんなに疲労感が続くのはいつぶりだろうか?帰ってきてから数時間は立っている。スズリはもう寝ているだろう。
俺は目を閉じたまま睡魔に身を任せようとした。その時だった。
「!?」
一つの気配があり俺は飛び起きる。その気配はさっきまであったとてつもない睡魔を消し去るぐらいの強力な「死」の気配だった。放っていたら確実に誰かが死ぬような気配を対処するべく俺はその気配がする方に行くため、自室を出るのであった。




