与える者
俺は、校長室前にいた。校長から呼び出しがかかったからだ。
俺はドアをノックする。
「入れ」
そう校長の声がして俺はその扉を開ける。
「なぜおれを呼んだんだ?」
「2つ要件があったからな」
そう校長はいう。その校長の目は真剣だった。
「何だ…その要件は…」
「1つ目は、今回の事件があるだろ?お前が保護した少女がお前になついているっていうのもあるが、私としても今回の件はお前に頼みたい。」
「実力が足りないからか?」
なんとなくわかっていた。あの瞬間、俺の速度をとらえていたのは、校長だけだった。しかも、事件現場で満足に動けたのはごく少数だった。そんな程度の人間が、今回の事件の犯人と対等以上に戦えるとは思えなかった。
「それもあるが…理由はもう一つある。そしてそれはもう一つの要件だ。」
そういい、校長室の奥に行き、帰ってきたかと思えば一人の少女を連れていた。髪が白く、眼も白い。とある紋様が入っている服を着ている。そしてその紋様はXクラスの紋様だった。でも、その少女をXクラスのメンバーで見たことがない。校長室に以前あの生徒を探すとき…ジズだっけ?そいつを探すときに見た資料はすべて記憶しているため間違えない。
「彼女は転校生…Xクラスとして入学させる。名前はない。お前がいろんなものを与えてくれ……………この人形に…」
俺はそう言われた。
「どういうことだ?」
俺は校長から目をそらし、答える。
「お前の能力だとそれができるだろう?」
どうやら隠すまでもないみたいだ。
「どこまで与えていいんだ?」
「どこまででもいい………お前が管理できるのであれば…だ」
そういい校長はその人形を受け取る。でもこれが{付き人}ということ…か…
俺にとってはメリットでしかない…が、問題はこの人形の方だ。彼女に選択権がないゆえにためらってしまうのだ。
悩んだ挙句俺はその少女に{与えることにした}
そして俺は…その言葉を詠唱する
「共鳴支配:魔力共鳴無限生命付与」