出会い
その場所は、地獄絵図だった。
「ヒッ!」
学院たちがおびえているのは無理がない…何故なら、この廊下を見ると分かる。
「何…これ…?」
俺の隣では彼方が震えている。無理もない。床に転がっているのはこの館の主と思われる男と、メイド服を着ている女性だ。見る限り、抜け殻のようだ…多くの生徒は死体を見るのは初めてなんだろうか?いや…初めてじゃないとしても精神的に来るものがあるような死体の状況だ…全員白目をむき、1つの方向に並んで倒れている。まるで何かに吸い取られたような状態だ。
「貴方は…気持ち悪くないんですか?」
そう俺に聞いてくる彼方。
「いや?」
「それにしてはあまり怖がってないですね…」
「まあ…な?メンタルだけは自信ある!」
「そこだけはほんとにXクラスですね…」
彼女は悔しそうな顔をしているが、顔が真っ青で完全におびえている。どう見ても探索は無理だ…となると…
「彼方…お前は待ってろ。俺が一人で行ってくる。どう考えてもお前のその状態では無理だ」
そう俺が言うと彼女はコクンとうなずき、真剣な表情をしている。
「落ち着いたら来いよ?」
「ちゃんと行きますから早く言ってきてください!」
そう背中を押されたので俺は館を探索する。主人が殺されていたのは廊下だった。こういう屋敷では必ず主人の部屋があるはずだが主人はそこにいなかった。つまり、呼び出されたか、運ばれたかのどちらかだった。だから俺は主人の部屋を探すのであった。
「ここ…らしいな」
俺は人一倍豪華な扉の前で止まっていた。中からかすかに人の気配がする。俺はドアの中に入ろうとしたその時
「やっと…追いつきましたよ!」
後ろに振り向くと、彼方がそこにいた。どうやら落ち着きを取り戻したらしい。
「で…?この部屋に何かあるんですか?」
「そうだ…この部屋がある時の部屋だろう…俺は廊下で倒れてた男がある時だと思っているんだが彼方はどう思う?」
「確かに、あの男性が一番服が豪華でした。家主だとは思いますが…もしそうだとしたら何で廊下に…‼」
彼方は何かに気づいたらしく、目を見開く
「そうだ。それを確かめる」
そうして俺はそのドアに手を伸ばし、開ける。その瞬間俺と彼方は驚いた。その理由は…
中にいたのは、和服をきて狐のお面をしている、紫髪の少女だからだ。