1つのミスから広がる波紋 ~1つのヒビ~
俺は今、学校の寮にいた。
今は夕方の7時である。普段なら本などを読んでいるのだが、今日は彼方と決闘をしたせいで疲れた。{というより彼方の自慢話を聞くのが疲れたんだが…}
俺はコーヒーを入れながら校長に渡されたものを見る。拳銃とナイフ、そして2つの薬。俺はその中の薬の1つ{封じる薬}を飲む。そして、ナイフを寮にある机のひきだしの中にいれる。
「なるほど…こうなるわけか」
自分でもわかるぐらいに力が抜けていく。校長は何でこんな薬を用意できたのか?という疑問はもはやどうでもよくなるの驚きだ。
そう俺が驚いているとき、扉の向こうに何かがいるのを感じた。そしてドアがノックされる。
「誰だ?」
俺は扉に向かってそう聞く。と、同時に扉があき、一人の少女が顔を出し、俺に向かって言う。
「初めまして…最強さん?」
「何の用だ?」
何でこの少女は俺のことを最強というんだ?記憶は上書きしているはず…
そんな思考を考えていくと彼女が口を開く。
「決闘を見たわよ?あなたが一瞬で勝つところを」
「何をしに来た…」
「私に顔に見覚えはない?」
そう彼女に言われ彼女の顔を今一度見る。だが見る限りとても美少女なのである。白い肌に透き通るような赤い目に特徴的なロングの髪。これだけ特徴的な顔をしていれば忘れないはずだ。それこそ、変装などをしてない限りは…うん?
「いや…知らないな…」
「ふ~ん…本当に?」
思い当たることはあった。路地裏で助けた女のことだ…背丈が似ているし何よりおれ自身がかかわっている女はあの生徒しか心当たりがないのだ。だが、力を隠すといった以上、それを教えるバカではない。だが、彼女はそれに気づいているのか?
「私はあなたのことを覚えているわよ?私の命の恩人だもの」
「すまんが一切身に覚えがないな…人違いじゃないのか?」
「とぼけるんだ…まぁ、コンタクトをとれただけで良しとしましょう。じゃあまたね?」
そう言ってその女は部屋を出る。
「は~めんどくさいことになった…」
そう俺は呟きコーヒーを入れ、布団を準備するのであった。