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一息
俺は妹が抱えているそれを俺に移し替えた。
「ごめんな」
俺はそう呼びかけるが妹から感じる怒りは消えるどころかさらに増している。
「機嫌を直してくれないか…?」
頭を撫でる。すると一瞬肩をはねさせてしばらく固まったがやがて何も言わずに寄り添ってきた。
(難しいな…)
そう思いつつも妹をゆっくりとなでる。
「モノは大切にしないとな…」
俺はフードが立っていた場所を眺めつつ今いなくなっている生徒の事を思う。
「一応校長に報告しておくか」
しっかりかわいがった後にモノを降ろし、校長室に向かうのだった。