友人
~教室~
「授業数が減ったな…」
座学が終わり、片付けをしつつ俺は呟く。
「まぁ…大体予想はついてはいるけれど…」
鈴はそう言い放つ。間違いなく上位クラス失踪が関係してあるのだろうと言っているのだろう。
「まぁ…俺としては楽になるから別にいいんだが…」
「アンタには今更能力の勉強なんて必要ないものね」
そう嫌味のように吐き捨て鈴はつかつかと歩いていく。
「別に何も特別なもんじゃないんだがなぁ…」
「そんなことないよ~?」
突然背後からかけられたその言葉に多少驚きつつも言葉を返す。
「お前に言われてもなぁ…モノ」
結局あの後校長の圧に負けモノを監視下に置くことになったのだが、モノは今学園で疾走しなかった上位クラスという名目で目立っているのでなるべく近づいてほしくはないのだが…
「で…俺は監視を任命されているが別にそばに置くと入ってないぞ?」
俺はあくまで監視を任命されただけなのでこうやってしゃべらなくてもいいはずなんだが…何故か物は一緒にいたいらしくずっとついてくる。
「だって友達いなくなっちゃったし…暇だもん」
頬を膨らませてそうつぶやくモノ。
「友達いたのか…」
俺が冗談交じりにそう言うとさらに帆頬を膨らませてぽかぽかとたたいてくるが全く痛くない。それはそれとして確かによく考えれば上位クラスの人数は減っているのは明らかだ…
「まぁ…今はいいか」
今度はモノにも聞こえないほど小さな音量で俺は呟くのであった