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懐かしい景色
俺は適当に鈴をかいくぐり教室にひっそりと戻る。
「ちゃんと消えているようでよかった…」
俺はつぶやき、見慣れた廊下を進む。Eクラス書いてあるのを見てその教室に入る。
「久しぶりだな…」
そこまでここを離れたわけではないっていうのに…
ここで頭には1つの疑問がよぎる。
「俺が空席の間の言い訳…どうなってるんだ?」
俺がそう思っていると懐かしい声が俺の耳に入ってきた。
「貴方もついてなかったですね」
俺の隣の席のやつがそう声をかけてきた。そう…彼方である
「お前…まだEクラスだったんだな…もうとっくに上がってるのかと思ってた」
俺の言葉に殺意のこもったまなざしを向けてくる。まるで(あなたにだけは言われたくない)みたいな顔である
「病気でダウンしてたあなたにだけは言われたくありませんね」
あ…なるほど…そう言うことになってるんだな…
「まあ俺は完全にダウンしているってわけではなかったぞ?」
Aクラス以上のクラスの空席。それは決して病気なんかではないだろう…
「これからどうなるんだろうなぁ」
窓から外を眺めながら俺はそうつぶやくのであった。