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リベンジ
「ふぅ…」
ネアが息を深く吐くと何もなかった手元に槍が現れる
「まさか天使を相手にすることになるとは思わなかったがな」
軽く笑いながらその槍をネアは謎の男に投げる。だが…
「?」
槍は男の眼前でぴたりと止まり消える。
「お前は誰だ」
妙に聞き覚えのある声で男は器用にも俺と戦いながらネアに話しかける。
「集中しなくていいのかよ」
「問題ない」
男のこぶしを受け止めたと同時、俺の横腹に戒魔の一撃が入った。
俺は後方に吹き飛ばされてネアに並ぶ。
「お前とはすでに戦ったことがあるからな」
男は俺にそう言う。
「すでに戦った?」
俺が戦いで力を使ったのは何回かあるが…その中で相手が男だった時は1回しかない
「おまえ…もしかして」
俺が言い終える前にその男は開いた右手を前に突き出し、その手を握る。するとその手には斧が握られている。
「さぁあの時のリベンジと行こうか」
男はその斧を勢い良く振り下ろすのだった。