赤い糸
ある日、恋の林檎を手渡した。
大好きなあなたにそっと手渡した。
皮を伸ばせば赤い糸になるかしら?
ふたりを繋ぐ赤い糸。
けれど味は甘酸っぱい。
だって私の片思い。皮もいつかは切れてしまう。
恋の林檎は願いの林檎。
あなたに呪文をかけましょう。
「一口食べたら私を好きになってます」
あら変ね。
一日経っても二日経ってもあなたは友だちのまま。
明日かな。一週間後に効くのかな。
ある日、あなたを見かけた。
でも、ねえ手の中の青林檎はなあに?
ほんのり甘い青林檎。あなたを笑顔にする林檎。
誰からもらったの?
あなたの視線の先には私の知らない女の人……。
こんなに大好きなのに届かない。
赤い糸は、糸電話より繋がらない。
END.
Thank You!
林檎を手渡すシチュエーションってどんなだ?ラブコメ?
と自分で突っ込む(笑)。