ゲームな攻略
ここか。町から平原を道沿いに進み、目的の森の前に立っていた。30から20cmほどの幹を持った木が少し不釣り合いな高さで生い茂っている。
奥に進めるよう切り倒され作られた道が日光により照らされる。その道には靴のような物もあったがそれを横切るように見慣れないくぼみで書き消されていた。
多分これが魔物の足跡だろうな。そう思いながら道を進む。
分からないが奥の方に行けば見つかるかな?とりあえず距離も稼げるし道なりに見回るのが丁度いいはずだ。
しばらく進んだだろうか後ろ歩きをして、後方を確認する。
平原が見えない、そんな時だった。藤田に巫女の手がゆくてを阻むように当たる。
「スライムです!」
うん、ただのスライムだ。
やっときたファンタジーな展開に自然と笑みがこぼれる。
ちょっとした腕試しだ。
弱点らしい所はないだったら、そう考え走り出す。
スライムの頂点に当たる突起部分をどうにか掴み引っ張る、紐状に伸びたスライムを肩に回し少し工夫を入れた一歩背負いをくらわせる。
鞭のようにしなり、遠心力で強まった勢いで地面にたたきつけられたスライムは、何かが破けたように水が飛び散りそのまま地面に吸収されてゆく。
それを眺め余韻に浸っていると突然、周りの草木が騒ぎだした。そこから顔を覗かせたスライム達が慌ただしくその場から立ち去ってゆく。だがその状況のなかでも明らかに避けていた方向があった、左上。
よく見ると遠くの方にこの道のように光がさしている場所がある。
とりあえずあそこに行くか。そう思い、道中会話が一切がっさい無視するはめになった巫女の様子を見る。
渡しておいたバールを強く握りしめている、説明は必要なさそうだ。
彼女の持っているバールは決してドラゴンスレイヤーなどではない、あれは気の迷いだったんだ。そして別に押し付けた訳でもない、彼女がバールを持ちたそうにこちらを見つめていた。
それはさておき、こうなってくるとあいつの話が信用できなくなってくる。今思えば俺たちは彼に質問をしていない。
疑問が浮かんだタイミングでその疑問を解決され、彼の話が終わったのだからもう何も聞くことはないのだろうと、いつの間にか思わされていた。
だが俺達には金がない、どこまでも問題のある巫女。一泊ぐらい宿泊する金額と、防具を揃える金額は流石に必要だろ。
それに世界を救うの条件にこのぐらいの犠牲で抑えろとかあったら洒落にならん。だから一刻も早くこの問題を解決して巫女の意識を、〔勇者と共に世界を救う〕にする。
その為にもここは引けないのだ。大丈夫、そこまで持てあます事でもないはずだ。敵の強さは聞かされてないが、情報屋が勝てると思いこうなっている。情報も間違ってないはずだからイレギュラーがない限り対処できるだろう。
進もう!藤田はそう決意を新たにしたのだった。
この世界のスライムは膜で覆われていて、その特殊な膜が本体です。
中はただの水で思考力も膜にあり活動に水が必要なので貯め込んでいるんですね。
刺突と斬撃は膜の再生力により傷が修復。水も大して出ないのでダメージがないというわけです。
ですから藤田のやった伸ばして引きちぎるようなやり方が効果的になります。
なんでこんな設定凝ってんだろう………