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小説『シェリーの伝言』   作者: 一乗寺浩詩
3/6

第三話バラ園。

心とは裏腹に空は雲ひとつない、いい天気だ・・・。



サイクル日和。

ペダルも進む。



僕は産業道路沿いの国道16号線を南に走る。

工場地帯を過ぎ、町外れの海つり公園に向かった。

僕らはここで出会った。



海つり公園の中にはバラ園がある。

シェリーはそこで植物栽培の仕事をしていた。

バラの品種改良をし、新種の桃色のバラを研究していた。

とてもスウィートなバラを育てていた。



バラ園の駐車場は無料駐車場。

僕はそこに車を無断で停めて、バラ園ではなく、



電車に乗って遠くに遊びに行ってしまった。



バラ園はPM5時に閉園になり

駐車場にカギと鎖が掛けられる。

この場所は友人に無料で停められる場所があるからといって教えてもらった。



ただし、PM5時にカギを閉められる事は友人から知らされていなかった。

そんな事を知らない僕は、夜8時に帰ってきて唖然とした。

僕の車は門の中。

鎖で縛られたバラ園の門の前で困っていた。



仕方なく正直に話そうと、バラ園の電気のついている研究室に入って声を掛けた。



「すいません。誰かいらっしゃいますか?」

僕は研究室のドアを開け呼んでみた。

僕の声に返事をして、研究室の奥から出てきたのがシェリーだった。



僕が正直にすべて話すと、彼女は笑っていた。

幸いにも責任者は誰もいない。

シェリーに食事を奢って、家まで送る事を約束してカギを開けてもらった。



僕は約束通り、研究室からシェリーが出てくるのを待った。

考えてみれば、食事を奢って、家まで送る。



このこと事態がすでにデートだったんだな。



僕らは何回かのデートを重ねた。

そしてシェリーは僕の家に住むようになった。



今バラ園は、バラが咲かない季節だから休園している。

門の外から中を覗いて見る。



今すぐにでも、僕とシェリーがバラ園から飛び出してきそうだ。

そんな雰囲気が残る不思議な場所だ。



ポケットからスマートフォンを取り出し電話を掛けようとした。

電源が入らない。



いつバッテリーが切れたのか分からなかった。

充電するのを忘れていたらしい。



別にいいさ・・・

電話など今の僕に必要ない。



そんなことよりシェリーとの思い出の旅をつづけよう。



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