普通って逆に怖いよね。なんの逆かわからんけど。
人生を始めてしまったことが私の人生の過ちだ
by魔王
PS,魔王の城はどう建てた?
[いつも通りの愚痴を垂れる魔王。かすかに響き渡るはさびれた金属音。]
一番手頃な距離にあるカーテンを開けると、少し遠くに門が見える。
どうやら勇者パーティは四人のようだ。
「んっ⁉︎」
少し歩くと彼らは姿を消した。大きな穴を残して。
魔王は背後に目をやった。なんとなくである。
だが、そこには先ほど座していた古びた椅子があるだけで何もない。だよね。という感じである。
しばらくした。ここで魔王は思い出したのだ。
昔、確かに門の近くに自分でも引くほど大きな落とし穴を作ったことを。
理由?暇だったからに決まっている。
流石に埋めようとも思った。が、めんどくさかったから放置しておいたのだ。
よくここまで残っていたものだ。
うん。部下、勇者達よりは優秀だな。
気づくと勇者達は穴から出てきていた。
勇者は、歩きながら凄い勢いで怒られている。
勇者は、とにかく早く、逃げるようにして歩く。
早く着きそうで何よりだ。
ここについたら私の愚痴を永遠と聞かせてやる。いかに自分達が迷惑で身勝手か教えてやる。
城内に入ってからは、魔法で見ることにした。
案の定彼らはまだ勇者に文句を言っていた。
なんか…、ごめんね。
勇者一行がそんなことをしながら歩いていると近くによるものがある。
まぁ、当然魔物である。
勇者もそこそこ鍛えてるであろう。出てきたのはケルベロスとその下っ端の狂犬何匹かくらいだ。
あっさりと倒すだろ…
「んっ⁉︎」
狂犬を全て倒したところまでは良かった。
しかし、彼らはケルベロスと互角の戦いを繰り広げていた。
ありえない。
まだ一階の番犬だぞ?そんなのと互角な奴らが魔王に挑みに来れるはずがない。
そんな勇者には「ん」以外の言葉も出るわけがない。
まぁただならぬことであることは把握できた。
次の瞬間魔王の中で何かが繋がった。
それでも魔王は生き続ける。死ぬ勇気ないし。
PS,建ててる途中に勇者来たら詰みじゃね…?いや
勇者じゃなくても