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Prolog




 ぱたぱた、と水滴が窓を鳴らしている。

 最後に晴れたのはいつのことだったか。


 初めて焼きプリンを食べた日だったか、遊園地に連れて行ってもらった日だったか、それともこの街のなかなか偉い人に拾われた時だっただろうか。


 もう覚えてはいないけれど、自分の心もこの街の天気も、もうしばらく晴れることは無さそうだ。

 この小汚く薄暗い部屋に一人きりでいることにも原因があるのだろうし、たまには外に出てみたら気持ちも変わるかもしれない。

 それでも今日は何をする気力も起きてはこないので、少しだけわがままを呟くことにした。

 

「……プリン、食べたい」


 膝を抱えて、毛布で温もりを確保して、それから窓の外の雨の音を確認する。

 不安ばかりを孕んだその感情に耳を傾けることも、自分はもう慣れてしまったようだった。

 

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