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Descartesの備忘録  作者: Descartes2018
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<マカインにて ダンジョンそれぞれの強者たち1>

<マカインにて ダンジョンそれぞれの強者たち1>


『オッスただいま到着致しましたぁー、立花ですっ!』


 身長180センチ、男性、がっちり体育会系、年齢30代、

上下ともに有名ブランド偽物ジャージを着用、同じく数本線の入った運動靴。

意志の強そうな、というか校則に例外は一切許さない規律遵守一筋の性格を、

そのままあらわしたような短髪もみあげ弁当型のおっさん顔。

ヤツは、直立不動でじじいの前に立っていた。


『おいじじい、ボクをからかっているのかひょっとして』


 ボクはなんとなく見覚えのある彼の容姿を確認し、

いつもよりずっと低い声色で尋ねた。


『殿のお気に召しますように、腕によりを掛けたカモフラージュじゃったが、

 ひょっとしてお気に召しませんでしたかの』


 じじいは思わぬボクからの叱責を喰らい、

白金に輝く杖を振り上げたまま視線をあちこちに泳がしている。

思えばボクにマスターが設定した、

江戸山区立未来ヶ丘中学校3年B組学級担任である出で立ち(スーツ着用)もどうかとは思うが、

ヤツの外見は設定上の同僚にうり二つではないか。


『神宮先生、お久しぶりでっす。また一緒に仕事ができて嬉しいなあ』


ヤツは、右手で頭の裏を掻きながら屈託無く挨拶した。

ないない、この展開は無い。

ボクにはこの後、えらく低姿勢の木下教頭とか、

全員エリートで構成されたA組担任御法川先生が登場し、

ヤヤこしい展開になることが予測された。


『じじい、今ならまだ引き返せる、というか引き返せ。

 でないと、セイブルのお前たちがどうなろうと、

 ココがどうなろうと知らんぞ、ボクはエスケープする!!』



『と、殿ぉ、お許し下され、手前どもが勘違いしてしまいました。』


土下座してひれ伏すじじいと立花先生(のような存在)。


《ジグ様、落ち着いて下さい。転送後のカモフラージュは、

 こちらの指示で変更可能です。いかがなさいますか》


ソラはできの良いセクレタリーに違いない。

ボクがミッションを失敗しないよう、コケる前に先回りをしてくれる。


『じじい勘違いも甚だしいぞ、早速だが、ボクがこの立花先生モードをリファインする。

 もちろん、異存は無いな?』


『ははぁ、御意』


 じじいたちは、全く動こうとしない。

余程ボクの叱責が恐ろしいのだろう。


《カモフラージュ・リファインコマンド、実施いたします》


ソラの案内と共に、立花先生はゆっくりと変容を遂げていく。


もきゅーん


『神宮せんせ、お久しぶり』


驚愕の展開、ありえねぇ・・


 立花先生の容姿に代わって現れたのは、江戸山区立未来ヶ丘中学校の制服を着た女子中学生だった。

学校ナンバー1の美少女は、千年に一度と言われる人気タレントに似ていた。


 え、あ、お、おおおお?!


『3年B組出席番号1番、相川七尾あいかわ ななおだよ』

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