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Descartesの備忘録  作者: Descartes2018
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<番組の途中ですが>

<番組の途中ですが>


『何が木っ端みじんだ、ヴェルキア』


背後から予想だにしない声。

場所は祠の入り口付近。

ヴェルキアとハイラインが、思わず振り返る。

一体何が起こったというのだ。


『どんだけ待たせりゃいいのよ、貴方がた』


呆れた口調のジグに続き、たたみ掛ける声の主は他ならぬマオマオであった。

キャロラインに軽く抱えられたまま、

予想だにしない登場に凍り付くヴェルキアたちを、

か細く白い腕をすうっと伸ばしビシッと指さした。

隣にはクソじじい、もといじじいが仁王立ち。


『なんと、可及的速やかに加勢すべき我らに先んじ、

 ジグ様自らがこちらに赴かれるとは。

 どうにもこうにも、言い訳できぬ大失態でございます』


ハイラインはジグ達に向かい片膝を付き、深く頭を下げた。

ヴェルキアも先ほどの威勢はどこへいったのやら、

あたふたとハイラインの隣に並ぶ。


『ボクもね、聖騎士たちのものすごい攻撃を受けてかなりピンチだったよ。

 それでもキミたちの到着待ちってことで、

 耐え難きを耐え忍び難きを忍んでいたわけなんだが、

 突然マスターから<緊急帰れコール>を受けてしまって。

 そんなわけで、今回のミッションは中止だ』


ジグは特に抑揚を付けるでもなく、事実を淡々とヴェルキア達に伝えた。


『中止、と仰いますと・・・?』


地面に鼻先を擦りつけたたまま、ハイラインは師に問うた。

状況を必死に把握せんとするが、何がどう動いているのかまったくわからない。


『中止ということはだな、マカインもセイブルも全ての事象が、

 <マスターの新たな管理下にある>ということだ』


ジグの言葉に続くように、

祠の中からジグ達と交戦中だったはずの聖騎士たちが、

引率された幼稚園児の如く、ぞろぞろと出て来てジグたちの後ろに加わった。


デアリング帝国国王のオクタデリヌスは、聖騎士を位の順に従えて堂々の入場。

オストレッサ、ゼドギア、ドミギア、ベアバルトル、ストーミー(初登場)、

ドデスカ(初登場)、そしてギャリス。


『いやぁ、なんだか呆気なく終わっちゃったねぇ。

 これから世界の存亡を賭け、お互いガンガンやりあう展開だったんだけど』


最後に、No10のマキャラートが、頭を掻きながらぼやいて登場。

ちなみに、No8ガイルズとNo9スキッドは未だ棺桶のなかである。


『うるせえ、お前をボコる寸前だったろうが』


『うにゃっ!』


相づちを打つように、仲間のタルカス(60階層守護者)が頭にテツを乗せ後ろに並ぶ。


『むぅぅぅ、儂はほとんど出番が無かったのである。ルニイクである』


最後に、暗黒雲のメンバーが登場。

暗黒雲勢力の恐怖宰相ルニイクは、噴霧機を引き摺りながら無念の表情。

でっぷりとした下腹を揺すり、どす黒い宮中貴族の衣装を纏う。

説明するまでもないが、噴霧機の中にはマスターにより閉じ込められたダーククラウドのキルメアが正座している。


『テツ、お前もこっちにおいで』


いつの間にかマオマオがルニイクと並び、テツを招いていた。

『うにゃにゃんっ』


テツは、タルカスの頭上からぴょんと跳ねてマオマオの頭上に乗った。

実は、マオマオは暗黒勢力の女王マオマリオ・イーヴィルの仮姿であった。


『あのう・・差し出がましいようでありますが、我らの90階層・100階層 の仲間と、

パネレンタの守護者連中は・・』


『なかなか気が利くよのう、ヴェルキアよ』


GJが、目を細めて前へ出た。


上様マスターから直々に説明が済んでおる。心配無用』


『左様でございますか、では、私めも一応・・』


ヴェルキアは、事態にはまったく納得できなかったが、

そそくさと棺桶からスキッドとガイルズを蘇らせ、聖騎士の集団に加えた。

二人とも、ヴェルキア以上に混乱していたのは言うまでも無い。


『ここに居る皆にマスターからの業務連絡だ』


必要な面子が揃ったのを確認し、ジグが言葉を紡ぎ始めた。


『セイブル、マカイン、暗黒雲勢力の諸君、

マスターはこれから優先事項の高いミッションにとりかかることになった。

残念ながら活動を中断された諸君に対するマスターの処置は以下のとおり。

マオマオ達に侵食されたセイブル、マカインの住民及び資源は全てリセットする。

ここに居るセイブル・マカインの諸君は、

自分の世界に帰着後、再統治するなりド突き合うなり好きにして欲しい。

マオマオ達には、マスターが新しい次元世界を用意した。

なんでも、そこはお前達以上に毒々しく禍々しい連中の巣窟らしい。

張り切って喰い合ってくれ。以上』


ジグの言葉が終わり、しばらく静寂が辺りを包んだ。


『これから、ジグ様はどうなさりますのじゃ』

皆を代表するように、GJがジグに尋ねた。


『・・・まあ、もともとマスターの分身だしね。

ボクがこれからどうなるのか まだ言われていないんだけど』


《ソラ?》


うつむきながら地面を蹴り、居心地の悪そうなジグ。

こんなときは、ソラに訊け。


《マスターからの伝言はございません。

 が、ジグ様の転送キーを預かっております》


《なるほどね、そういうことか》


『みんな、ボクも行くべきところがあるようだ。それでは、そろそろ解散するよ』


セイブル、マカイン、暗黒勢力が、それぞれ交互に握手し健闘を讃え合い、

次元世界のリスタートに備えた。


『アテンションプリーズ、ただ今から、初期化無しの世界再構築を行います。

 つり革はございませんが、しっかり身の安全を図ってくださいまし』


どこからか、アナウンスが辺りに響き渡り、

それぞれがそれぞれの物語へ旅立つのであった。


おわり


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