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Descartesの備忘録  作者: Descartes2018
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<マカインにて - 聖騎士No.10-3>

<マカインにて - 聖騎士No.10-3>


『やるのか、おいっ』


交戦好きのタルカスが、まず二人の一歩前に出る。


『にゃーっ』


頭上のテツが、合いの手を入れるように肉球を振り上げ加勢した。


『やるのかと聞かれ、やりませんと答えるのは愚か者しかいない』


マキャラートは、タルカスの啖呵に応えやり返した。

うむ、我ながらセンス溢れる<返し>だ。

自分以上に沸騰点の低そうな敵が現れたことで、

今のところ、理性が感情を僅かに上回っている。


その相手タルカスも、いきなり攻撃という雰囲気ではない。

侵入者の容姿と身を纏う高密度のオーラから察するに、

三人ともかなりの能力者であることが覗えた。


『タルカスよ、目の前の御仁はどうやらこのゲートの番人らしい。

 言動から察するに、このままゲートをスンナリ通過させるとは思えない。

 そこでだが、私とハイラインは先に行くことに決めた。

 御仁の相手を宜しく頼む』


ヴェルキアが、タルカスの後ろからおもむろに指示した。

チームの優先事項が、ジグ達の救援であることを忘れてはならない。


『・・随分過小評価されたものだ。

 この俺様がマカイン防衛の頂点に立つ、

 聖騎士No.10と知った上で言っているのだろうな』


マキャラートは、風神剣を持ち上げ舞うようにポーズを取った。


『貴公はマキャラートと言うのか。

私は、セイブルから来たハイラインと言う。

たいへん申し訳ないが、私とヴェルキアは先に出発させて貰う。

緊急の用事があるので、ここで足止めを食うことは許されないのだ』


ハイラインは<MONBURN type01>越しに、

第1ゲートの位置を確認しながらマキャラートの問いをやり過ごした。


『だ・か・ら、お前達二人をなぜ俺様がすんなり通すことになっているのか、

 全く勝手な思い込みをしているんだが』


指揮官マキャラートの動きで<MONBURN type01>が一歩前進。

三人の包囲網を狭めた


『お前もだいたい分かるだろう?

 俺たちがよってたかって本気になったら、

 あっという間にボコボコにされるということを』


タルカスは、聞き分けの悪い幼稚園児を諭すように静かに言った。


『俺はなマキャラート、アンタとサシで良い勝負をしたいんだよ。

 もちろん勝つのは俺様だがな。

 丁度お前にゴツい護衛が付いてるように、俺にも<テツ>が居るし』


『にゃーっ』


テツは、合いの手がうまい。


『先に行かせて貰う』


ヴェルキアは、ハイラインを従えマキャラートを避けるように向きを変えた。

ヴェルキアたちの動きに合わせるように、MONBURN type01>が移動する。


『テツ、この門番どもを喰いたいか?』


タルカスが、頭上のテツに問うた。


『許してくれるにゃら、全部いただくにゃ』


テツは、タルカスの頭を肉球でポンポンと叩いた。


『お前も体力を補給しないとこの先持たないだろうしな。

 よし俺はこいつ(マキャラート)、お前はそっちでいこう』


なんとなくコンビっぽくなってきたタルカスとテツは、

互いに思い切り暴れる口実ができたことを歓迎しているもよう。


『ふっ、やれやれ、どこまでも畏れを知らぬものどもだな』


マキャラートは<風神剣>にパワーを充填し、

眼光鋭く敵を一気にゾーン内に取り込み斬撃すべく、

思い切り踏み込んだ。


それと同時にタルカスが、テツを<MONBURN type01>に投げつける。

テツは一旦蝙蝠に変身し更に黒い霧と化して、

<MONBURN type01>を片っ端からガシガシと喰らい始めた。

その圧倒的なスピードと勢いに為す術も無く、

<MONBURN type01>が次々と喰らわれていく。


一方マキャラートの必殺<ディレイゾーン>に嵌まってしまった三人。

しかし、漆黒のバトルスーツを纏ったタルカスは意外にも鋭く応戦。


ガキーンッ


超硬度の剣同士がカチ合う金属音が辺りに響き渡る。


『バ、バカな・・・なぜお前たちは動けるのだ』


あり得ない光景を目の前にしたマキャラートは、

思わずうめき声を上げた。

<自分の時間>に取り込まれているはずの三人が全く普通に動いており、

更にタルカスは、必殺の斬撃をガッチリ受け止めている。

一方ヴェルキアとハイラインは、

テツの暴食によりズタズタになった防衛網をすり抜け、

スタスタと歩きながらゲートに向かっているではないか。


『お前の剣は先ほど研究させて貰った。

 ハイラインが全部解析し対策は万全なんだよ』


タルカスは、一旦合わせた剣を振り払い、

マキャラートはよろよろと後ろに引き下がる。


タルカス達は、マキャラートとスズメバチの対戦を観戦することで、

<ゾーン>内のディレイされた時間をヴェルキアが再加速し、

無効化する対策を講じていた。

これによりマキャラートの優位性は完全に失われ、

ハイライン達ふたりは、マキャラートに一切構うこと無くこの場を脱出。

同時に、残ったタルカスとマキャラートによる剣と剣の戦いが始まった。


二人の周囲では、<MONBURN type01>をテツが絶賛食事中。

どうやら、究極に腹が減っていたらしく実に容赦ない。


タルカスとマキャラートは、いつ果てるともない剣と剣の鍔ぜり合いを続ける。

基本的な剣術に於いては、セイブルとマカインに大きな差は無かった。

だが見慣れぬ剣筋に驚くこともある。

これをギリギリ受け流すことで、互いの剣術スキルは向上していった。

いわば、生死を賭けた訓練とも言えようか。


<MONBURN type01>を<完食>したテツは、

既に猫の姿に戻り毛繕いしている。

一旦はバトル中のタルカスに加勢しようとしたが、

後ろからハイラインに止められフリーズする。


『テツ、お前は<待て>だ、タルカスに<良し>と言われるまでな』


『うにゃにゃ』


剣撃の凄まじい音を背に、ヴェルキアとハイラインが第1ゲートの門前に立つ。

すると、まもなく扉の中から地響きのような野太い声が応えた。


『誰だ、ここは既に閉ざされた門である、

 何人たりとも開けるわけにはいかない、帰れ!』


いつもの如く、侵入者を追い返す段取りが始まった。

だが<MONBURN type01>は、全てテツに完食されてしまっている。

ひょっとして、まだ奥の手があるのだろうか。


『戯れ言に付き合う暇はない、今すぐここを開けなければ、分かるな?』


ヴェルキアとハイラインは、おもむろに究極の剣を抜いた。

めくるめく大量のエネルギーが放出され、

目映いばかりの光が門を照らした。


『・・・い、いらっしゃいませー、お客様二名様ご案内でーす』


ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギーイィィィッィ


『タルカスよ、後は任せた。

 万が一負けそうになったらテツに頼むがいい』


珍しく、ヴェルキアが面白いことを言った。

ハイラインは、銀縁眼鏡を整えつつヴェルキアと共に救援に向った。

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