<マカインにて - 敵か味方か7>
<マカインにて - 敵か味方か7>
ヴェルキア、ハイライン、タルカス。
セイブル最強ともいえる最強チームの僅か1mほど頭上に、
よろよろと三人の後を追うように浮かぶ黒い影。
言わずと知れた通称<テツ>、
テサルス・ウィルグレン・ジャゴジャゴゲッサーのなれの果てである。
テツは鎖で繋がれているわけでもないので、
一見トンズラをかますことは容易そうに見える。
だが自慢の体力が殆どゼロに近い上に、
仮に瞬間移動のスキルを実行したとしても、
直前で確実にボコられるという予感が支配して止まなかった。
『テツ、その格好だと目立つ、なんとかしろ』
間もなく指示された建物に到着する。
タルカスは、前方を向いたまま怒鳴るように言った。
『ハイ、それならこんな感じで・・』
テツは、言われるままにデフォルトの蝙蝠モードを解除した。
そろそろ、飛び続けるのも疲れてきたわけで。
『にゃーん』
『?!』
タルカスが、思わず上を向いた。
なんと、フェイスガードのてっぺんに、
ほぼ同色の黒い猫が鎮座しているではないか。
同色ゆえ、動かなければ付属品のように見えなくもない。
猫の首には、小麦粉噴射機能を持つ銀色の首輪がしっかり嵌まっていた。
『お、お前なぁ・・』
『これにゃら、まったく目立たないのにゃ』
テツは、タルカスの頭の上でまったりを決め込んだ。
『お似合いだな、タルカスよ』
ハイラインはタルカスをちゃかしながら、
指先から特殊合金製スズメバチを三匹前方に放つ。
スズメバチの視界は、全てハイラインと同期している。
ヴェルキアは、空中から超音波波動剣を取り出した。
剣の柄には、バトルスーツと同色の赤金の綴れ織りが施されている。
その威力を想像するに、敵として相対するのは避けた方がよさそうである。
マカインのダンジョン入り口は、すぐそこだった。




