<マカインにて - 敵か味方か1>
<マカインにて - 敵か味方か1>
『こ、殺す気かー老人を虐めおって』
じじいは三次元レベルで回転する祠のなか、
自らの杖にゴンゴンと頭を叩かれ続けたらしく盛んに毒づいた。
『きゃぁぁぁ、助けてぇぇぇ。おほほほほほ』
キャロラインは、死中にも関わらず嬌声を上げるマオマオを抱えたまま、
類い希なき腕力でつり革を死守。
両脚を巧みに使い、壁や床に身体が激突するのを避けた。
ボクはソラのアシストで超電導の磁場をつくり、
身体を浮遊させ仲間のサポートに廻る。
とまあ、迂闊にも祠に侵入してしまったボクたちは、
職人の壷振りで翻弄されるサイコロの如く、
もみくちゃにされながら強烈な振動に耐えることになった。
『・・・みなさま、たいへんお疲れ様です。
全員無事到着ということで、道中のお手並はおみごとと申し上げましょう!』
褒めているのかバカにしてるのかはともかく、
もっとまともに事を進められないのか、こいつらは。
祠から見える景色は、今までとそう変わっていないような気もする。
だがアナウンスが<到着>と言っているのを考えると、
ボクたちは今まで居たところから何処かへ連れてこられたらしい。
《ジグ様、祠の周辺に危険は感じられません。
ただし、正体不明の存在が複数確認されます》
《オーケー、ソラ、ならばまず外に出ようか》
ボクたち4人は、互いに目配せしながら祠の外へ出た。
移動後の建物の中は、今まで居たところとほぼ同じ印象で、
建物の天井はドーム型。
また、出発地点と同じような塗料で極彩色の模様が描かれていた。
ここまで確認して気がついたのだが、
先ほどは照明がなく中が真っ暗であったのに対し、
今居るところは、天井から白色の柔らかい光が降りそそいでおり、
全体が見渡せた。
『どこのどなたかは知らないが、随分手荒い出迎えだな』
近くに居ると思われる存在にも聞こえるように、ボクは声を張った。
『わしゃぁ只では済まさんぞ、土下座されても許さんわ』
怒りがまだ収まらないじじい。
『確かにこの祠の仕掛けで、
今までかなりの犠牲者が出たかもしれない』
抱えていたマオマオを降ろし、意外に冷静なキャロライン。
『それより、お迎えが来たらしいわよ、セイブルの皆さん』
軽く足を交差させ、
おしゃまなポーズでマオマオが入り口の扉を指さした。
『ギイイイイイイイイイ、ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ』
重厚な扉が開かれ、複数の人影が逆光に浮かび上がった。




