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Descartesの備忘録  作者: Descartes2018
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<マカインにて それぞれの強者たち6>

<マカインにて それぞれの強者たち6>


『気をつけろ、全員一時待避!』


ボクの指示とほぼ同時に、各自それぞれのやり方で立ち位置から離れる。

キャロラインは、マオマオを抱えたまま大きく後ろに跳躍した。

じじいは杖を上下に動かすと、ふたりの近くまで瞬間移動した。

ボクは落下する物体を観察しながら後ずさりした。

物体は複数それも5体確認できた。

高さ3メートルはあろうかという人型の戦士、

彼等は直立したまま落下しており、膝を少し屈める程度でそのまま一斉に着地した。

重量の影響からか、着地による衝撃で地面が揺れる。


彼らに生命反応は感じられない。

彼らは建物の扉をボクたちから遮るよう一列に並び、

バトルモードで剣と盾を構えた。

そして、一斉に前進を開始した。


《ジグ様、マカインの守護ロボット<MONBURN type01>です。

 本体は、マカインの超鉱物フラムライトで構成されており、

 特に打撃に対する防御力が優れております。

 また、フラムライト製の長剣には注意が必要です。

 さきほど侵入アラートが発動されました。

 私どもの排除任務にあたるものと思われます》


《了解した、ボクに<宮本武蔵>を装備してくれ》


ソラは、あうんの呼吸で応戦の準備完了。

これまでの経験を信じ、こいつらに相対してやろう。

ボクは脇差しから二本の剣を素早く抜き、

両手を左右に広げ<悟りの剣>を発動した。

すると、二本の刃はコバルト色に輝き始め、

剣先にマスター直伝のパワーが宿るのを感じた。


一方キャロラインは、マオマオをじじいに手渡し保護を依頼。

すぐさまボクの隣に立ち長剣を構えた。

どちらかというと楽しそうなキャロラインの表情に、

連戦連勝の片鱗を感じた。

マオマオは、意味深な表情でじじいにしがみついている。

ボクたちと共に闘う意志は全く感じない。

そもそも、<村娘>に頼ろうというのもアレだけど。


『ジグ様、相手はなかなかの手練れ。お気を付けて』


『お前もな、ボクは右の3体、キャロは左の2体を頼む。行くぞ!』


二人は同時に<MONBURN type01>に立ち向かった。


『はぁぁっ!!』


キャロラインがかけ声とともに2体に猛進し、

<会心の一太刀>でまず左の1体の盾を粉砕。

相手の剣の反撃を電撃のフットワークでかわすと、

もう一体の盾も一撃で粉砕した。

二体の防御力は大幅にダウンし、

剣撃では遙かに勝るキャロラインに一刀両断、

敢えなく倒れていった。

さすがは第50階層守護者、この程度の門番に負けるはずがない。


『やるなキャロライン、美しい演舞だったよ』


ボクは、いつの間にかキャロラインの隣に居た。


『あら、ジグ様のお相手はどう・・・』


二体を葬ったばかりのキャロラインは、

剣を納めながらボクの背後を確認し絶句した。

そこには細かく寸断された三体の<MONBURN type01>が、

無造作に散乱していたからだ。

その間およそ0.3秒、むろんソラに代わって貰ったからできたことだけど。


『パチパチパチ』


背後から拍手の音。


『お二人とも、無駄のない動きと圧倒的な剣撃に感無量ですわ、ふふふ』



マオマオめ、結局自分は手の内を見せず、

ボクたちにマカイン側のトラップを片付けさせたわけだ。


『この罠がわかってて事前説明無しか、マオマオ。

 これで中に入れるんだろうな』


ボクは余計な詮索はせず、マオマオを問い詰めた。

ボクらにとって、マオマオはまだまだ役に立つはず。


『一応中には入れるわよ、扉は既に開いているはず。

 でもねえ、そこからがまた難しいのよ』


マオマオはそう嘯きながら扉に近づき、

華奢な自分では重すぎることから、キャロラインに扉のノブを引くよう促した。


『構わないキャロライン、扉を開けてくれ』


指示に従って、キャロラインは重厚な扉を片方ずつ開けていった。

ボクたちは、解放された扉から建物の中に入り内部の様子を伺った。


内部は全くの暗闇で、入り口から差し込む陽光が細長く伸び奥へ消えていた。

僅かな光を頼りに確認したかぎり、内部は殆どがらんどうになっているようだ。

もしや、中にもトラップがあるかもしれない。


ボクの気持ちを察したか、じじいが杖から<灯り虫>を生み出すと、

それを数匹屋内に放った。

虫は羽根を広げ、内部をゆらゆらと飛びながら壁のあちこちに止まると、

松明のような淡い光を一斉に放ち始めた。

淡い光に照らされ、建物の天井まで容易に確認できる。

天井は、ドームのように流麗な曲線をみせ、

石造りを感じさせないつるんとした光沢を帯びている。

その表面には、極彩色の塗料により様々な造形が、

窓のない壁面まで連続して描かれていた。


『美しい、まるで教会芸術のようだ。

 この建物のなかに危険はないようだが・・』


マオマオは、ボクの問いに小さく頷いた。

これは<MONBURN type01>のようなトラップを設置せずとも、

敵対する浸入者は先に進めないという自信の現れなのか。


このがらんどうの屋内でたった一つ佇むのが、

高さ3メートルほどの祠だった。

灯りが無いために祠の内部がどうなっているのかはわからない。

じじいが灯り虫を一匹、祠の中にも放った。

祠には扉がなく、誰でも自由に入ることができるようだ。

全体は釣り鐘をイメージさせる、内部は平坦な床面のみとなっており、

十名も入れば満員になる程度だ。


『ジグ様、ワシにはなんとなく想像できるんじゃが、

 この祠は、第二の入り口ということでしょうかのう』


じじいは、祠の床を杖でツンツンと軽くつつきながら言った。


『そういうことかもしれないが、この祠の意味がわからない。

 教えてくれマオマオ、

 ボクたちはマカインの民と話し合うためにここに来た。

 キミの意図は別にあるかもしれないが、

 これからもボクたちと一緒にいたいのなら・・』


ボクはマオマオの前に立ちと、

ガラス細工のように輝くマオマオの瞳を覗き込んだ。


『ふん、まーだまだ先は長いわよ。

 なにしろ<大殺戮>から見事に逃げのびた人たちだもの。

 だからこそ価値があるんだけどねえ』


マオマオはじじいの袖を摘まみ、

キャロラインの腕をとり祠の中へ招き入れた。


『ささ、じいじもおばさんも一緒にいこいこ』


こいつは、オンとオフの差が激しすぎる。


『うほほーい』


じじいの嬉しい悲鳴。


『おば・・』


キャロラインは、人生初のおばさん呼ばわりで動転。

マオマオのペースだ、完全に乗せられている。

ボクには何も細工せずってか。

祠の中に全員揃ったところで、女子アナのような声色のアナウンスが響いた。


『ただ今から転送用カプセルをスタートいたします。

 みなさまどうぞ、お近くのつり革にお掴まり下さい』


ブーン


おお、壁がブーンって鳴ったぞ


つり革ってなんだ、壁から何か出て来た、これか・・


各自、アナウンス後に壁から出て来た取っ手のようなものを手にする


天地がひっくり返るような振動を全身に感じつつ、

この祠は今何処かへ向かっている


『ほほほほ、三世代で遊園地に来てるみたい。

 妾は楽しすぎるぞ』


はしゃぎすぎだ、マオマオ、この先はいったいどうなる

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