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鳥居のむこうは別の世界(旧:異世界でヒロインとサバイバル共同生活する話)  作者: ふすまを閉めてく猫。
第3章 力になれることがあるのなら、力になりたいと思う
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97 備える




 村を守ることを引き受けた。


 内容としては、『出来る範囲で協力する』という形だ。

 退魔師たいましといっても、村人の半分も生きてないオレ達。彼らとしても、それで十分納得したように思える。


 期限はおよそ5日間。

 5日後にはメイという村出身の行商人が、結界石けっかいせきというのを手に入れ、村に結界を張り直してくれるのだそうだ。

 だからそれまでの間、これ以上、村から被害が出ないようにすることがオレ達の役目だ。


 ちなみに対価として、それまでの食事と、北国シーラまでの『案内人の手配』をお願いした。

 食事はもちろんのこと、オレ達はこれまでの山歩きで案内人の必要性を痛感していた。

 案内人がいれば、北国シーラへも、より早く安全にたどり着けるはずだ。

 村の誰でもいいので、詳しい者をとお願いした。


 そしたら、ちょうど5日後に来る行商人が北国シーラへもよく出入りしているらしく、村長が彼に案内人を務めてくれるよう取り計らってくれることになった。

 うん……。あくまでもオレたちの目的は北国シーラへ行くこと。

 それまでの5日間、村の被害を最小限に抑え、その後シーラまで案内してもらうのだ。



   ◇



 話し合いが終わると時刻は夜の8時頃。

 黄泉よみがえりの襲撃は、だいたい夜10時~深夜3時頃までが多いらしい。なのでそれまでにオレ達は村をぐるっと見て回り、村の地理を確認する。


 山の中に切り開かれた村だ。

 村の西面は一見して登るのが不可能な急斜面で、北面は落ちたらまず助からないだろうと思える絶壁のがけ

 この2面からは、人はおろか、黄泉よみがえりすら入ってこれないと思われる。


 とすると──


「見て分かるだろうが、崖からは奴らはこん。多くは村の東側、正面入口からやってくる。あとはぽつぽつ南面の畑が多い方からだ」


 村を案内してくれている、ヤナギダというおじさんがそう教えてくれる。

 なるほど。

 つまり、東と南の2面を防衛すれば良いと言うわけか。

 守りやすそうではある。


 もしかしたら、そういう立地だからこそ村が存続出来ているのかも知れないな……。


 ちなみにこのヤナギダさんという人、歳は50代後半だろうか。ふだん猟師を営んでおり、これまでも有事の際に村の防衛頭ぼうえいがしらを務めてきた方なのだそうだ。見た目は髭面ひげづらでちょっと怖い。


「では、主力しゅりょくを村の東正面入口に配置し、他は南面と中央に待機。その都度動くというのが良いでしょうか?」


 オレがそう彼に尋ねると、


「うむ。それで良いと思う」


 と、渋い表情で答える。


 うん……。口数が少なくちょっと無骨な感じの人だけど、言ってることはシンプルで話しやすい。 

 彼とは防衛のことで5日間お世話になるだろうから、話やすい人はありがたいのだ。


 それにヤナギダさんは、他の村人と違ってやたらとオレ達を誉めたりしない。最初に「世話になる」とちょっと頭を下げられただけで、あとは敬語もなくいたって普通だ。個人的にそれがプレッシャーにならず楽である。もちろんだからと言って、敬語を使いオレ達を一人前として扱う村長らが悪いわけではない。一応、専門職?に頼む側の立場として、礼儀を通してくれたのだろう。


 ただ察するに──ヤナギダさんというおじさんは、村でもちょっと変わった立ち位置にいるのかも知れない。狩人をしている方だからだろうか、どことなく村人たちとヤナギダさんとのやりとりで、そう思った。


黄泉よみがえりどもが来るまで今しばらくある。山歩きで疲れただろう。良かったら風呂に入ると良い。村長には許可を取っておく」


 細かい打ち合わせなどを終えると、ヤナギダさんがそう言った。


 何気に優しい人である。




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