表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/131

78 登録



 翌朝。


 ザッシオさん達が、オレたちを国の入り口まで送ってくれた。一度面山賊が出るようになった土地は、油断ならないそうだ。


「あの……ホントにいいんですか?」

「ああ、そっちは黒髪ボインちゃんやお前が倒した分だろ? 俺達が狩ったもんじゃねぇし。助けた礼もいらねぇ。困ったときはお互い様だしな」


 そう言って、彼らはオレたちに面山賊の呪物じゅもつ──『お面の束』を渡し、去っていった。


「気のいい人達ね。ちょっと変わってるけど」


 ナタリが言った。


「そうだな。いつか何かお礼が出来ればいいんだけど……」


 この世界に来て、多くの人に助けられてばかりだ……。


「そいや、ナタリ。お前すごい急いで、ザッシオさん達を連れてきてくれたんだってな。めっちゃ頑張ってたって聞いたぞ」


 国へ戻る途中、ザッシオさんの仲間のセクシー姉さんがこっそり教えてくれた情報だ。実際、面山賊のいた場所から国まで、走っても片道10分近くかかる。相当大変だっただろう。


「ありがとな、助かった」

「ありがとうございます。ナタリちゃん」

「あ……と、当然よ。仲間なんだし……二人だって助けてくれてるんだし……無事でよかったわ」


 そう言って照れるナタリ。


「ではさっそく換金所に行きましょうか」

「そうだな」


 オレたちは『お面の束』を持って、換金所へと向かう。



   ◇



 換金所。

 モニカさんに昨日助けに来てくれたお礼を伝え、呪物の査定をお願いする。


「ね、ねぇフブにい……」


 待合いのテーブル席で、ナタリがこそこそと話しかけてきた。


「ん?」

「もしかしてさ、換金金額……すごいことになるんじゃない?」

「すごいこと?」


 ……あっ。


「ね? この世界に来た日、ビャクさんに貰ったお面が一枚5万ポウもしたじゃん? 今回はお面21枚よ、21枚。同じなら21枚×5万で、105万ポウよっ」


 105万!?

 確かに……21枚×5万で105万。

 マジか……。なんかいろいろあって気づかなかった。


 でも、本当にそんなにいくのか?


「三人とも。換金が終わったわ」


 モニカさんに呼ばれドキドキしながら行くと、カウンター上にはたくさんの大判小判が積まれていた。


「合計350万2900ポウよ」


 えっ!


「350万!?」


 ナタリが目を輝かせた。


「ど、どうしてこんなにも……」


 オレが尋ねるとモニカさんは少し困った顔で、


呪物じゅもつ見てなかったの? 面山賊の『かしら』が2枚もあったのよ?」

「えっ!」


 かしらが2枚も!?


「あっ……もしかしてムーコが!?」

「あ、はい。フブキくんが来てくれる前に戦っていた面山賊のなかに、二体いました」


 ま、マジかよ。


「すごいわね。『かしら』は一般的に、面山賊50体分の戦闘力と言われているのよ」


 モニカさんも驚いている。


「すごいムーコねえっ」


 ナタリも。


「い、いえ、おかげで殺されかけましたし……」


 ぽりぽりと頭をかくムーコ。

 なるほど。

 どおりでオレでもどうにか倒すことが出来た面山賊相手に、ムーコが負傷してたわけだ。まさか、『かしら』と戦っていたなんて……。それも二体。


 もしオレがその『かしら』達とあたっていたら、軽く殺されていたんじゃないのか……? 面山賊50体分の戦闘力て。

 今更ながらにぞっとする。


「ふふっ。とりあえずおめでとう。これで君たちは正式に『退魔師たいまし』となれるわ」


 おおっ!


「あ……でもまだ骸骨500体を狩れていませんが……」

「そんなの。面山賊を討伐したんですもの。充分よ」


 なるほど……そりゃそうか。


「しかも君たちは『かしらを二体も』討伐してるからね。一気に『四級退魔師』よ」


 マジか!

 なんかすごい!

 オレは以前貰った『退魔師の各級認定条件と特典&支給品表』を取り出して、『四級退魔師』のところを見る。


 

 【四級退魔師】──級判定員による判定──『宝具3割引き』



 おお! 宝具3割引き!

 これ、無理だと思って考えもしなかったけど、『烈風れっぷう薙刀なぎなた』をさらに安く買えるのでは!?


「あの……お姉サマ。あたしは骸骨だけで面山賊は倒してないけど、それでもいいの?」


 ナタリがモニカさんにそんな質問をした。

 なるほど……そういうのは考えてなかった。どうなのだろう。


「ええ、それは問題ないわ。むしろ退魔師は『チーム単位で級付きゅうづけ』するのが通例よ。例えば……そうね。『防御役』や『治療役』など、直接討伐する役割でない退魔師がいることで『前衛』がきゅう認定条件を満たせる場合もあるからね。退魔師会としては、成果をあげてくれればいいわけだから、チーム単位なわけ」


 なるほど……。


「さっそく登録手続きをしてく?」


 モニカさんの問いかけに、オレたち三人は顔を見合わせて答える。



「はい。お願いしますっ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ