74 ムーコの元へ
さっきの場所へ戻った。
ムーコがいない。
どこだムーコ!?
「ム────────コォ!!」
どこだ!?
耳を澄ますが返事がない!
「!?」
なんだあれは!? お面!?
白いお面が落ちている。
1、2、3、4、5、6…………いくつものお面が点々と落ちている。
ムーコだ。
あいつが面山賊を倒しているんだっ!
このお面を辿っていけば、ムーコはそこにいる!
◇
面を辿っていくとそこにムーコがいた。
3体の面山賊に囲まれている!?
いや、吹っ飛ばされた!
やばい! 斬られる!!
「ムーーーーーーーーコォオオオ!」
オレは面山賊とムーコの間に割って入る!
──ギィン!
面山賊の刀を弾き返す!
「フブキくん!?」
「大丈夫かムーコ!?」
「な、なんで戻ってきたんですか!?」
「ナタリと子供は国までとどけたっ」
「そんなことを聞いているんじゃないです! 逃げて下さいって。言ったじゃ──
──ギィン!
「くっ……」
面山賊の攻撃を、ムーコがはじく。
「ムーコっ」
オレとムーコは背中合わせで、包囲してくる面山賊3体と向き合う。
「今からでも遅くはありません! 逃げて下さいっ!」
「いや、オレも一緒に──」
──ギィン!
オレに斬りかかって来た面山賊の刀を、ムーコが受け止め弾く。
鋭い斬撃。
ムーコが弾いてくれなければ、斬られていたかも知れない。
「くぅっ……」
ムーコがぐらつきその場へへたり込んだ。
「ムーコ!?」
すかさず面山賊!
オレがそれをはじく!
──ギィン!
そしてすぐ両腕の2刀で、左右の面山賊ににらみをきかせる。
途中、お面のそばに落ちていた刀を拾ってきたのだ。
──山賊刀。
退魔刀とは違い、これで奴らの復元能力を遅らせることは出来ないが、防御になら充分使えるはず。
ちらりとムーコを見ると、彼女の腹部に血が……。
「ムーコ、おまえ……血が」
「かすり傷です」
額に汗を浮かべ、強がるムーコ。
だが、気持ちでどうにかなる量の血じゃない。
かなり流れている。
「お、お願いでです、フブキくん。逃げて下さい……。このままじゃフブキくんが、殺されてしまいます」
ムーコが薙刀を支えに、立ち上がろうとする。
しかし、足に力が入らないのか、ろくに立てずにいる。
「……ここで逃げても、どうせ死ぬよ」
「逃げきれる可能性は……あります」
「だったとしても、死ぬよ」
「え……?」
ここで逃げたら、オレは死ぬんだよ。男として終わる。
そんな惨めな目にあうくらいなら──
「黙って休んでろよ、ムーコ」
差し違えてでも、全員倒してやるからよ。
「フブキくん……」
◇
三体の面山賊が、ジリジリと間合いを詰めてくる。
間違っても、こいつら三体倒す前にオレは死んじゃいけない。
最終的に差し違えても、そういう戦い方をしなきゃいけない……。
すっと息を吸い込んで──ゆっくり吐く。
殺し合い。
感覚を……研ぎ澄ませ。
スピードだ。
超反応を研ぎ澄ませ。
研ぎ澄ませ。研ぎ澄ませ。研ぎ澄ませ……。
────────────。
右の面山賊が動いた。
ダン!!
即、心臓部を刺し殺す!
次いで中央の奴。
左の山賊刀で受け止め、右の退魔刀で斬りとばす!!
三体目!!
刀を振り下ろしてくる!
防御は間に合わない!
ので──懐へ飛び込む!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
──ズバァアアアアン!!!
オレと三体目が交差した。
そしてひと間をおいて、奴が倒れる。
オレは、面山賊を倒した。




