69 再会
翌日の昼。
「どいてくれ! 通してくれっ!!」
武装した男たちがタンカで人を運びながらオレたちの横を通り抜け、換金所の2軒となりにある病院へと入っていった。
「どうしたのかな……」
ナタリが不安そうに言った。
「見習いの森で、面山賊が出たそうだ」
面山賊!?
背後からの声に振り向くと、見覚えのあるおっさんの顔。
「ダンディーさん!」
「あ、オジサマだ」
この世界に迷い込んだ日に出会った、換金所のおっさんだった。
「3人とも久しぶりだ」
ダンディーさんが笑う。
「怪我をしたと聞きました。大丈夫だったんですか?」
「ああ……もう大丈夫だ。……どうやら心配をかけてしまったようだな……。町を案内する約束、破っちまってすまんかった」
「いえ、怪我が大丈夫ならそれで」
「よかったらこれから一緒にメシでもどうだ? お詫びと言ってはなんだが、ご馳走しよう」
ナタリとムーコの顔がほころぶ。
ちょうど、これから昼飯を食べに行くところだった。
「オジサマ、素敵っ!」
ナタリは現金な奴だった。
◇
食事の席で、ダンディーさんにこれまでのことを話した。
彼は丁寧にオレ達の話を聞いてくれた。
「そうか、いろいろ大変だったな。まさかアンタ達が来てから一週間で、あの西区が骸骨共に落とされることになるとは思わなかった。すまんかった。だが、よく3人とも生き残ったもんだ。しかも自分たちでテントを手に入れ、退魔師見習いとして金を稼いでいる。若いのにたいしたもんだ」
ダンディーさんが、心底感心したように誉めてくれる。
「2人のおかげです」
オレはナタリとムーコを示して言った。
「フブ兄のおかげでもあるよ」
「そうです。フブキくんがいなかったら私、瘴気で死んでいました」
2人がすぐそう言う。
「いや、それはそもそも先にお前らがいたおかげで、テントが買えたり骸骨から逃げられたわけで……」
「それを言ったら、最初にこの世界に来た日、フブ兄のおかげで助かったわ」
「そうです。私もフブキくんに助けられました」
「ふはは。いいチームだ」
ダンディーさんが笑って言った。
「そういやまだ、名前を聞いてなかったな。オレはダンディー・クライマーだ。明日からこの南区の換金所や、門番の勤めをすることになっている」
そうなんだ……。
ダンディー・クライマーさん。
なんかダンディーさんらしい、男らしい名前だ。
「あ、僕はフブキです。氷上吹雪」
「私は巴野むう子と言います」
「ナタリ・アルフォンスよ。オジサマ」
「うむ。フブキに、ムーコに、ナタリか。皆、良い名だ。改めてよろしくな」
オレ達は3人とも、彼と握手をした。
それから、今後のことについて少し相談にのってもらった。見習いの森でついに面山賊が出たのだ。どうしたら良いのか、彼のアドバイスを聞きたかった。




