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54 オレとナタリの決意


 

 中央区の屋台通りに着く。

 朝の8時半頃だろうけど、屋台はすでに賑わいを見せ始めていた。

 すぐ『発熱うどん』を2つ買って、テントに戻る。


「ムーコ、ナタリっ! ごめん! 遅くなった!」

「……フブにい……」

「体が温まるうどんを買ってきた、食べられるかっ?」

「うん……先にムーコねえに……」


 ナタリは自力で上体を起こした。


「わかったっ! うどんここに置いとくよっ。ムーコっ、だいじょうぶかっ!?」


 うどんを一つナタリの横に置いて、ムーコに声をかけるが返事がない。

 側によってムーコのほおを触ると冷たい。

 だが……目を開いた! 


「ムーコ、起こすよ?」


 問いかけるとまばたきをした。

 オーケーってことだな!?


 よいしょっとムーコを起こす。

 なんか支えとかないと倒れそうなので、抱えながらうどんをとってムーコの前に持ってくる。


「まずスープ飲みな。あったまる」


 ムーコの口元に持って行くと、こくりこくりと飲んだ。

 やった……飲んだ……っ!

 それを見て、ナタリもスープを飲み出す。

 うどんのスープは熱めで、多めに入れて貰った。

 たくさん飲める。

 それから少し時間をかけて二人はうどんを完食した。



   ◇


 

「フブにい……」


 テントを出ると、ナタリも外に出てきた。

 ムーコは中でもう寝ている。


「ナタリ、大丈夫なのか?」

「うん、だいぶ良くなった。それよりお金、どうしたの? 布団とか医療費とかで、もうお金なかったんだよね? あたし、気がつかなくて……」

「大丈夫。換金所の人がお金をくれたんだ」


 オレはナタリに換金所でのことを話し、残りのお金を渡す。


「……その左肩……血? 足も……」

「ああ……少し骸骨がいこつりもした」

「うそっ……」


 信じられない、といった表情のナタリ。


「だ、だいじょうぶなの!?」

「大丈夫。ほら、あの時みたいに石使ったりして上手いことやってる」


 かるく石を投げる仕草をして、ナタリに伝える。

 しかし、心配そうなナタリ。


「……問題ないよ。骸骨がいこつは刀を持ってない奴も多いから」

「でも……もしもの事があったら…………。フブにい、武芸の経験とかないんでしょ?」

「ないけど……大丈夫だよ。なんとかなる」

「でも……」


 なおも心配するナタリ。

 こんな傷、お前の怪我に比べたらなんてことないのに……。


「無茶はしないからさ」

「……ホント?」

「ホントホント。マジでもうしない。痛いのやだし」


 そう笑ってやると、一応ナタリは納得してくれた。


「あと、ムーコにはしばらく言わないでおこう。ムーコにはお金がなくなったことを言ってない。治るまでは知らない方がいい」

「ん……そうだね」

「お金。残り3000ポウくらい入ってる。けど、これだけじゃまたすぐなくなるからオレはまた骸骨狩りに行ってくる。一応預けとくけど、買いに行くときはオレがいくから」


 ムーコ一人にするのも心配だしな……。


「わかった。……いつ戻ってこれる?」

「昼過ぎには一旦いったん戻るよ。夜、銭湯にはいれるようだったら連れて行こう。金はなんとかする」

「うん……」

「オレとナタリで、ムーコを助けよう」


 オレがそう言うと、ナタリは力強く頷いた。



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