44 表通り
表玄関まではすぐに出られた。
しかし、通りにはいきなりデカい骸骨が三体!
しかも奴らの足下には、4人もの人達が……っ!
血の量から……明らかに亡くなっているのが分かるっ!
な、なんだこいつ等は!?
三体が三体ともしっかり鎧を身につけ、手にはまた巨大な刀!!
奴らがこちらに気づく!
「道を開けますっ。通り抜けてください!」
ムーコが骸骨達に向かっていく。
その時、ムーコの顔を垣間見た。
顔色が……悪くないか?
しかもこれだけ走り回ってるのに、汗を全くかいていない。
大丈夫なのか!?
「いまですっ」
ムーコが薙刀で一番左の骸骨を押しのけ、道を切り開く!
「くっ……! いこうナタリ!」
「うん!」
骸骨達の向こう側に走り抜け、中央区を目指す。
向こうに大きな壁が見えた。
あれか……っ。
右から左へ走っていく人たちが見える。
おばあちゃんの言うとおり、その先に中央区への門があるはず!
壁まであと100メートルほど!
「うわっ」
「きゃっ」
左側の路地から大量の骸骨が飛び出してきた。
「ぐっ!」
オレは流れに押され吹っ飛ばされた。
あっという間に群がってくる骸骨。
「うわっ! 来るなっ!」
鞘に入ったままの刀で、骸骨の足をなぎ払う。
「フブ兄……っ!」
「……っ! ナタリ!」
ナタリが流れに押され、反対側にある路地のなかに追いやられる。
しかも刀を落としたようで、オレの足下にナタリの退魔細刀が転がっている。
「待ってろ! すぐ助ける!」
目の前の骸骨を蹴っ飛ばす。
数は多いけど、武器持ちは少ない。
刀さえ持ってなけりゃこんな奴らっ!
「おらぁ!」
襲いかかってくる骸骨を力づくでぶっ壊す!
一体、二体、三体!!
ぶった斬って、ぶった斬って、ぶった斬る!!
けど……目の前には20~30体ほどの骸骨! 厚い! ナタリのとこへ行けない!
うわっ!
骸骨の群のから、いきなり刃物が出てきた。
刀持ちだ。刀持ちの骸骨!
しかもなんか武者兜をつけている!!
──『ギシュアアア!』
武者兜骸骨が叫んだ。
すると、刀を持ってない骸骨が下がり、代わりに武器を持ってる骸骨達が前に出てきた。
な、なんだこいつら……!
槍持ち1体、刀持ち5体……そして武者兜のが一体。
ざざざっと、オレを軸に半円を描くように取り囲んでくる。
やばい。
後ろへ逃げようと思えば逃げられるが……
「フ、フブ兄! あっちからも来た!」
見るとナタリのいる路地……その奥からも骸骨が来ている!
ナタリも、骸骨に植木鉢や石などを投げつけたりして頑張っているが──やばい! このままじゃすぐ捕まる!
ムーコは!?
──まだ戦っている! デカい奴とだ! しかも数が増えてるっぽい!
「ムーコ! ナタリがやばい! 囲まれた!」
「は、はいっ!」
返事はしてくれたが、ムーコは奴らに阻まれて突破できないでいる!
「い、いや! フブ兄助けてっ!」
ナタリが骸骨に捕まった!
「ナタリ!」
くっそ!
目の前の骸骨に刀を振り下ろす!
──ぎぃん!
刀と刀がぶつかり、弾かれる!
すぐ槍持ち骸骨が突いてくる!
「くっ……!」
突破できない!
近寄ることも……!
「あああああっ!」
ナタリが叫ぶ!
骸骨に腕をかまれている!
肩も!
歯が食い込むのが見える!
やめろ!
ああっ!
くそっ……!!
「ナタリ────────────!!」
くっ……どけよ!
邪魔すんじゃねーよ!!
刀を振り回すが、受け止め、弾かれる。
そして槍持ち!
近づけない!!
「あああああ……っ」
ナタリの悲痛な声。
ああ……っ!!
どうすれば!
ムーコはまだこれない!
デカいのと戦ってる!
誰かっ!
誰か助けてくれっ!!
「う、ううぅ……」
ナタリの声が小さくなる。
駄目だ。やばい。
もうやばい!
どうすれば~~~~~~っ。
力ずくで押し込めば、一体ならやれる……!
けど、すぐに槍持ちが突いてくる!
他の刀持ちもいる!
動けない!
どうすれば……っ!
どうすれば…………っ!!
「少年っ! 下がれぇええーーーーーーーーーー!!」
後ろから怒声!
瞬間、大きな盾を持った男たちが骸骨に突っ込んだ!
オレを囲んでいた骸骨達が吹っ飛ばされる!
男たちだ。
6人の武装した男たち!
彼らは、すぐさま刀や大斧などで骸骨達を粉砕していく!
骸骨が武器を持っていようと持ってなかろうと、彼らは問題なしに蹴散らしていく!
あっと言う間にナタリのところまで道を切り開いた。
ナタリに噛みついていた骸骨達が、先頭の武装男に襲いかかる!
しかし、彼はすぐにそれらを返り討ちにした!
ナタリっ…………ナタリは!?
武装した男たちが周りの骸骨を蹴散らしてくれてる。
オレはその間をぬって、ナタリのところまで行く。
「ナタリ……っ!」
呼びかけるが、ぐたっとしていて返事がない。
意識を失っている。
「大丈夫だ。2、3噛まれているが問題ない。連れていけるか? 中央区の門をくぐればすぐに治療施設があるっ」
「は、はい! ありがとうございます!」
俺はすぐにナタリを抱える。
そして気づいた。
ナタリの身体が冷たい……。本当に大丈夫なのか!?
「あっちの薙刀の娘も仲間かっ!?」
武装した男がムーコの方を見て言った。
「は、はいっ」
「わかったっ。すぐに後を追わせるから先に行くといい!!」
「ありがとうございます! お願いしますっ!」
オレは礼を言って、ナタリを抱えて中央区へ向かう。
既に周りの骸骨は一掃されていた。
「お願いできますかっ!?」
「かまわんっ行け!」
背後でムーコと武装した男の声。
ちらっと見ると、武装男が追ってくる骸骨を迎え撃ち、ムーコがオレを追ってくる。
ムーコはすぐにオレに追いついた。
「ナタリちゃんは!?」
「2、3噛まれたけど大丈夫って言われた! このまま治療施設に運ぶ!」
「わ、わかりましたっ」
そして──どうにかこうにかオレ達は三人そろって、中央区への門をくぐる事ができた。
──が、
「ムーコ!?」
そこでムーコが倒れた。




