表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/131

30 オレの答え



 夕方。

 ムーコ&ナタリと合流した。


 今日もお互い『仕事と住む場所』は見つからなかった。

 彼女たちが入りたいと言ったお店に入って夕食を食べ、宿へ戻る。


 宿──『紅葉宿もみじやど』は連泊にしておいたので、そのまま部屋へ入り、少し休んでから例のごとくお風呂。そして浴衣に着替えて布団の上でごろごろしながらミーティングとなった。


 連日歩き回った疲れか、オレとナタリはそれぞれ転がった体勢。

 ムーコはぜんぜん余裕なのか、お茶を入れて早くも茶菓子をむさぼっている。


「ムーコ、骸骨がいこつりの話だけどさ」

「はい」

「いざとなったら骸骨狩り、というのはどう?」

「いざとなったら……ですか?」

「うん。宿代やどだいがあるうちは『仕事と住む場所探し』をして、もしも何も見つからずお金がなくなったら行く、というわけ」


 オレは日中に受けた忠告もあり、やはり危険を冒すのは極力避けたいと思った。

 幼い頃から武芸をやってるムーコとオレは違う。無茶をして、取り返しのつかない怪我をしてからじゃ遅いのだ。


 それにもし面山賊めんさんぞくと遭遇したら、どうしたってムーコの負担がでかくなる。女のムーコにばかり、危険を背負わせたくなかった。


「……いいんじゃない?」


 ナタリが賛成した。


「……わかりました。確かにその方が良いのかも知れませんね。では、骸骨がいこつりはいざとなったらという事で」


 しばし考えたてから、ムーコも同意してくれた。


「うん。じゃ、それでいこう」

「ただ……少し気になるのですが」

「ん?」

「いざとなった最終日に、初めて骸骨がいこつを狩りにいくというのも心配です。一応、前日に練習がてら、少し狩りに行っておいた方が良い気がします」


 なるほど……。それもそうだ。


「確かにぶっつけ本番じゃあれか。じゃあ最終日の前日──つまり明後日あさっての昼までに、仕事とか()つからなかったら(・・・・・・・・)りに(・・)()ということで」

「はい」

「……うん」


 まとめると二人が同意した。


「それでは、寝ます」

「えっ、もう寝るんですか!?」


 オレが布団をかぶるとムーコが驚いて言った。


「さすがに連日歩き通しで疲れたよ。足がぱんぱんだ」

「あたしも……」

「……まだ、外に骸骨がいこつも出てきてないですよ?」

「別にいいよ。見たくない」

「……あたしも」

「むぅ……、私は見てみたかったのですが……。結構綺麗じゃないですか、骸骨がいこつ。よく見ると淡くふじいろに光っていますし」

「いや、怖いと思うよ」

「……あたしも」

「………………」

「…………………………」


 ナタリがさっきから『あたしも……』しか言ってない。


「ナタリ、眠たいのなら無理に話さなくてもいいぞ」

「あたしも……」


 部屋が暗いからか、ナタリはもう眠たげだ。

 ていうか、これはもう寝てるのかも……。

 ちなみに今は、行灯あんどんを点けていない。

 初日はサービスで請求はされなかったが、あかりのあぶらだいは宿泊代とはまた別途にかかるのだ。わずかだけど、使った分は朝に請求される。


 …………。

 ………………。


「……少し、あ──しましょうか?」


 しばらく経って眠れないのか、ムーコがなんか言った。

 うとうとしてて、よく聞き取れなかった。


「……なんて?」

「えっと……こりほぐしです」


 そう答えたムーコが、布団をめくって寝転がってるオレの背中に乗った。

 ぐぎゃ。

 そして背中を指圧してくる。


「おおっ」

「どうです? 祖父からは、結構上手だと誉められます」

「うん、上手……だと、思う」


 ……気持ちいい。

 しばしムーコのマッサージが続く。


「よいしょっと」


 背中のマッサージが終わって、今度はオレの足をひっぱりあげるムーコ。


「いだだだだだだ」

「あれ。フブキくん、お身体が固いですね」

「……そう?」

「はい、固いとお怪我をしやすいですよ?」

「そうだね……」

「伸ばしておきましょう」

「はい」


 今度は適度に引っ張られて、痛気持ちいい。

 そして、次は足のマッサージもしてくれる。

 天国だ……。


 ムーコ、いい奴だな。優しいし……。

 なんでこんなにマッサージしてくれるんだろ……。


 あ、オレも次マッサージしてあげた方が……いい……のかな………………


 

   ◇


 

 翌朝。

 目が覚めると、目の前に浴衣がハダケ気味のムーコの胸元があってびっくりした。


 どうやら寝落ちしてしまったらしい。

 色々危ないので、とりあえず布団を掛けてやる。


 てゆーか、なんでこいつオレの布団で寝てるんだ?

 ナタリの方を見ると、こっちは布団も蹴飛ばして浴衣もハダケてパンツ丸出しだった。


 こいつら…………。


 悩んだ末、おこさないようにナタリにも布団をかぶせてやり、空いている布団で二度寝する事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ