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鳥居のむこうは別の世界(旧:異世界でヒロインとサバイバル共同生活する話)  作者: ふすまを閉めてく猫。
第3章 力になれることがあるのなら、力になりたいと思う
121/131

121 二日後




 2日後。


 村は守られた。


 さらわれていた女子供も無事助けられ、村は2夜連続でうたげとなった。

 オレは初日は眠っていたので2日目のみの参加だが、たくさん食べ、身体を休めることができた。


 村人さん達との確執も解消した。

 彼らは謝罪した。すでにムーコ達に謝っていたようだが、改めてオレに土下座をしてきた。

 申し訳なかった、どうか許してほしい。──そう頭を下げた。


 オレも彼らに謝った。

 怒りに囚われ、彼らの何人かを傷つけてしまったのだ。それに彼らとしても、子供を人質にされた身の上でのこと。気持ちはわかる。言ってしまえば同じ被害者だったのだ。


 それで、お互い水に流すことにした。



   ◇



「よかったですね。案内人を引き受けてもらえて」


 宴会が終わり、テントでムーコが言った。


「そうだな」


 メイは快く案内人を引き受けてくれた。 

 これで当初の目的通り、無事に北国シーラまで行くことが出来そうだ。

 ひとまず、目標達成である。

 ……。


 ちなみに今、テントにはオレとムーコの二人だけ。

 ナタリはメイから借りたテントで、牢屋で知り合った子供たちと休んでいる。牢屋には村の子供たちではない者たちも多くいたらしく、それらを今、ナタリが面倒みているのだそうだ。


 宴会の席でも、ナタリの周りには沢山の子供たちがいた。わりと慕われているようだった。

 あいつ、結構面倒見がいいみたいだしな……。


 それにしても、うるさい奴がいないから静かである。

 自然と沈黙が降りる。

 悪くない……。心地よい沈黙だ。


 ふとムーコが立ち上がり、するすると着物を脱ぎだした。

 ちょ。


「着替えるなら言ってよ。後ろ向いてっから」

「いえ大丈夫です。そのままで──」

「えっ」

「フブキくんは、私を『女』として見てくれました。ですから側仕そばづかえとしてもちろん、これからは一人の女としてもフブキくんにお仕えしたいと思います」

「ええっ!?」

「言ってくれたじゃありませんか。『女を守るのが男だ』──と。私、側仕えとしてフブキくんをお守りするのが一番のお役目と思っておりましたが、フブキくんが私を女として見て下さるのでしたらそれも……」


 な、何をいっているんだコイツ……。

 だめだ。頭が追いつかない。

 目の前にはムーコの胸元。帯がほどけて見えちゃいけないとこが見えそうである。


「ふ、フブキくんは私がお嫌いですかっ?」

「い、いや、そんなことないけど……っ」

「でしたら──」


 そう言ってムーコがオレにおおかぶさってくる。


「私をフブキくんの側女そばめにしてしてくださいっ」

「そ、そばめ!?」

「はいっ。一国一城いっこくいちじょうあるじともなれば、幾人もの側室そくしつを持つのは当然のこと! 私もその一人にして下されば良いのですっ!」

「い、いや、前にも言ったけど、オレは一国一城の主だなんて──」

「いえ、フブキくんは必ず一国を治める名君めいくんとなります。私の直感がそう言っておりますっ」

「ちょ、直感!?」

「はいっ。女のかんですっ」

「……っ」


 こんな信頼のできない女の勘は初めてだ……っ!


「そ、それに私、フブキくんが一国いっこくあるじとなるから言っているのではありません。フブキくんが……フブキくんがお優しくて素敵な方だから──」

「ムーコ……」

「い、いけませんか?」


 そう言って、まっすぐに見てくるムーコ。

 そのほおが赤く、瞳もわずかに濡れている。


「い、いけませんかっ!?」


 再度、強く問うてくるムーコ。

 い、いや……いけないことなんてないけども……。

 なんか色々と急で──。



   ◇



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