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鳥居のむこうは別の世界(旧:異世界でヒロインとサバイバル共同生活する話)  作者: ふすまを閉めてく猫。
第3章 力になれることがあるのなら、力になりたいと思う
116/131

116 厄災




 な、なんだあれは!?


 オレ達の目の前には、2つのあたまを持つ巨大きょだいおに

 ムキムキな肉体で、上半身だけで8メートルはあろうか……。

 下半身は見えず、上半身だけが地表から生えているように見える。


「──っ!」


 奴と目が合い背筋が凍る。

 真っ暗で光などなく、どこまでも深い穴のような目。

 まるで一切を信じない、一切の憐れみを持たない悪意の塊。


 ──理解りかいした。いや、わかってしまう。

 生きている者なら、間違いなく魂が反応するだろう。



 ──あれは災い。関わっても不幸にしかならない──と。



「ひゃはーこれでテメェらに勝ち目はねぇ!! こいつは誰にも止められ──」



 ──ドン!!



 鬼が山賊(がしら)を叩き潰した。

 そして、つぶれたそれをつまげ、

 2つのあたま──一本角いっぽんづのあたま二本角にほんづのあたまが、山賊(がしら)の身体を引きちぎるようにして喰らった。


 ……酷い。



 ──『ハァァ……』



 山賊(がしら)が美味しかったのか、鬼が大きな口でわらうう。そして──

 あたりに倒れている山賊たちを掴み、食べ始めた。

 まずいっ。すぐ近くにはナタリと子供が──


結界宝石けっかいほうせきっ!」


 メイが叫び、ナタリと子供に何かをぶつける。

 すると二人の姿が一瞬光り、消えた。

 いや、よく見ると綺麗なビー玉のようなものが地面に落ちている。


「な、なにこれ!」


 ビー玉からナタリの声が聞こえた。


「『結界宝石けっかいほうせき』だ。これで彼女らに危険はない。たとえあいつでも……地厄じやくでも絶対に手出しはできない」


 メイがそう説明する。

 そ、そうなのか……。

 見れば彼の胸元の3つボタンのうち、2つが取れていた。そこに『結界宝石けっかいほうせき』とやらを仕込んでいたようだ。

 って、今──


地厄じやく!?」

「ああ……あれは『地厄じやく』だ。黄泉よみがえりがさらにちた存在。まさか山賊があんなものまで持っているとは……」


 マジか……。

 地厄じやく──。

 たしか『退魔師たいましの昇級条件表』で、三級退魔師への昇級条件と書かれていた奴だ。


「ど、どうすれば……」

「これまでの黄泉よみがえりなど比較にならない相手だ。治癒符ちゆふを使って逃げるしかない……」


 そう言ってメイは身体を引きずり、目立たないように地面をう。

 なるほど。

 メイの先には、山賊どもが奪ったメイの背負いカバンがある。そこに治癒符ちゆふがあるのだろう。足の怪我を治して逃げるのか。


「幸い地厄じやくはその土地にしばられ、動くことが出来なくなった存在だ。奴から一定の距離をとれば助かるはず」

 マジか……。


「あ、くらの子供たちはどうする?」


 蔵にはたくさんの囚われた女子供がいた。


「多少瘴気(しょうき)てられるだろうが、あの距離なら大丈夫なはずだ。一旦引き上げ、後で助ける。というか、他に方法がない」


 そ、そうか。

 確かに他に方法がない……。


「わかった。ムーコっ、撤退だ。ナタリ達を頼む。今のうちに逃げるぞ」


 オレは鬼を刺激しないように小声でムーコに言う。

 ムーコが頷き、了解の意を示す。



 直後──()オレ(・・)()()()()





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