表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥居のむこうは別の世界(旧:異世界でヒロインとサバイバル共同生活する話)  作者: ふすまを閉めてく猫。
第3章 力になれることがあるのなら、力になりたいと思う
115/131

115 激怒する戦姫




 ──ドスッ!

 ──ドゴッ!!



 山賊たちが、オレとメイを蹴る。

 かれこれ、10分くらいいたぶられているだろうか。

 治癒符ちゆふやメイのカバンなども奪われ、オレ達は地に伏している。


 痛い……。

 おそらく足が折れている。もしくはひびが……。


 奴らはうっぷんを晴らすためか、最初にオレ達の両足をメイの金剛杖こんごうじょうでぶっ叩いた。

 それが身体を蹴られるたび、激しく痛む。


 くそっ。このままじゃいずれ殺される、

 どうすれば……っ。

 ……っ! そうだ!


「……さ、山賊のおかしらさん。頼みがある」


 オレは思いついた提案を言ってみる。


「あ? 聞く理由がねぇよ」

「そこをなんとか頼みたい」

「…………ちっ。なんだ? 言って見ろ」

「アンタ達は盗賊一味は、人をさらって遠くの国に売ると聞いた」

「そうだが……?」

「売るつもりだった人間すべて、オレが買い取りたい」

「…………ほぅ」


 盗賊頭が感嘆する。


「いくらもってる?」

「300万ポウある」

「足りねぇな。それじゃその人質2人くらいの金にしかならねぇぞ」

「とりあえずはそれで。足りない分は、また払いにくる。その都度金と交換でもいい全部買わせてほしい。頼む」


 金で解決……。

 はっきり言ってきれいな解決方法ではないが、どこか酷いところにナタリたちが売られるよりまマシだ。なんとか交渉する。


「……だめだ。話にならねぇな。ここでお前を逃がせばが仲間連れてくるかもしんねぇ。その手にはのらねぇよ」

「そんなことはしない。捕まっている女子供がいるんだ。出来ないだろ? そんなこと」

「……いや、多少の犠牲を無視して数で責められちゃかわなねぇからな。悪いが無理だ。そもそも売り先はあるんだ、危険を呑んでお前に売る必要はねぇだろ。危険が増すだけだ」


 ……それもそうだ。

 だがなんとか言いくるめないと……。



 ──トトッ!



 ヒーハー男のナタリ達に突きつけていた刃物が、地面に落ちた。

 なんだ……?

 何者かがヒーハー男の背後にいる。


「はぁ!!」


 そいつがヒーハー男を背負い投げした。


「ごはぁ!!」


 地面に叩きつけられたヒーハー男。

 そこには、薙刀を手にしたムーコがいた。

 ムーコっ!


「ムーコねえっ!」

烈風れっぷう薙刀なぎなた!!」



 ──ドゴォ!! ズバァァアアアアアン!!!!!!!!!!!!!



 地面で気絶していたヒーハー男は、20メートル先の森の茂みまで飛んでいった。

 なんて威力!


「な、なんだテメェは!!」


 オレを蹴っていた山賊の一人が怒鳴る!!

 が、一瞬で間合いをつめたムーコがそいつを薙払なぎはらう!



 ──ズダン!! ズバァァアアアアアン!!!!!!!!!!!!!



 また一人、森の茂みまで飛んでいった。


「許しません……よくもフブキくんを」


 ムーコが激怒している。すさまじい怒気だ。 


「く……っ。生意気な女め! みんなでやっちま……ぐっ」


 声を出した山賊が、いきなり苦しみ倒れた。

 いやそれだけじゃない。オレ達をいたぶっていた山賊らも、全員苦しみ倒れる。


「ふぅ。ようやく効いてきたか」


 メイがつぶやき、山賊が手放した彼の金剛杖こんごうじょうを掴む。

 なんだ!? メイが何かしたのか!?

 とにかく形勢が逆転した。

 オレもすぐに退魔刀たいまとうを拾う。


「お、おいっ。なんだあの化け物みたいな女は!?」


 山賊(がしら)がオレに聞いてくる。いや、オレに聞くなよ……。

 奴の周りにはあと6人の取り巻き。


「皆殺しです……」


 ムーコが呟く。


「ひ、ひぃいいいいい!!」


 取り巻きのうち、2人がいきなり走って逃げ出した。


烈風れっぷうり!!」


 ムーコの放つ烈風が、そいつらの背に当たり、



 ──ドゴォオ!!



 木に激しく衝突した。

 そしてその場に崩れ落ちる。


「逃がしません……」


 ゆっくり山賊たちに近づくムーコ。

 こえぇ……。

 いや、オレが怖がる必要ないんだけども……っ。



 ドゴッ! ズドン!! バキッ!!



 蛇に睨まれた蛙状態となった取り巻き連中が、ムーコによって地に沈められる。

 あとは山賊(がしら)と、ぶるぶる震える取り巻きが一人。


 勝負は見えた。

 ムーコが二人をのしてお終い。

 彼らには同情すら感じる……。


「お、おかしらぁ……」


 涙目の取り巻きがお頭をうかがう。

 お頭は額に汗を浮かべて……腰に下げている布袋から木箱を出す。


 また木箱。黄泉よみがえりか?

 だがさっきと同じ程度の黄泉返りなら、あっという間にムーコが倒すだろう。

 でも山賊(がしら)の持つ箱は、さっきのと違って黒い炭のように見える。


「そ、それは……っ!」


 メイが驚く。


「こいつが何かわかるか、薙刀のネェチャンよ」

「……?」

「か、かしら……っ! そいつはだめだ!」


 先ほどまでムーコにビビっていた取り巻きが、今度はその箱にビビりだす。


「黙ってろ。他に方法がねぇ!」

「だ、だが……それで何人も喰われた! そいつだけはだめだ! そいつだけはだめだかしらぁ!!」

「うるせぇっ!!」


 その箱に掴みかかろうとした取り巻きが、かしら裏拳うらけんでぶっとばされる。

 ぐふっと倒れる取り巻き。


「オレらに手を出したこと、後悔しなっ」


 山賊(がしら)が木箱を地面に叩きつける!



 バキン! ──ボォワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!



 真っ黒な煙があたりにあふれる。



 そして──



 巨大な化け物がそこに現れた。



  ◇



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ