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鳥居のむこうは別の世界(旧:異世界でヒロインとサバイバル共同生活する話)  作者: ふすまを閉めてく猫。
第3章 力になれることがあるのなら、力になりたいと思う
110/131

110 行商人メイの話




 メイという行商人ぎょうしょうにんから話を聞く。

 結論から言うと、ムーコとナタリの二人は、この山を根城とする山賊に連れ去られたらしい。


 山賊と言ってもそいつらは人攫ひとさらい専門で、山中で女や子供を捕らえては遠くの国で売り払うのを生業としている奴らだとか。

 村人がオレに非協力的だったのは、子供をさらわれた彼らが『退魔師の女二人を攫う協力をしたら、子供は無事に返す』と山賊に取引を持ちかけられたからとのこと。


 実は当初、村人も子供は黄泉よみがえりに喰われたのだと思っていたらしい。

 だが、村に来たムーコとナタリに目をつけた山賊が、どうにかして二人をさらおうと、村人に手の内をさらし脅したのだそうだ。


 山賊は『魔操まそう』という宝具を持っており、それを使って黄泉よみがえりを意のままに操れることが出来るのだと。つまり黄泉よみがえりに村を襲わせ、その騒ぎに乗じて女子供を連れ去る。それが奴らの手口らしい。

 もちろん村の結界が機能しなくなったのも、奴らの仕業である。


 ちなみにこれらの情報源は、行商人メイがロープで縛って連れてきた男達から聞き出したもの。そいつらは山賊の下っ端で、森で潜伏して村の様子を見張っていたのを、メイが偶然見つけ捕らえたのだそうだ。


「大変申し訳ありません。村の子供たちがさらわれて……村長としてこうするしかなかった」


 一通り説明を聞いた後、村長が頭を下げてきた。

 いや、謝られても意味はない。

 問題は二人を取り戻せるかだ。


「盗賊のアジトは?」


 オレが行商人メイに聞くと、


「この村から一時間ほど下った先にある古寺ふるでらだ。走れば20分ほどでつける。すぐ案内しよう」


 彼は捕らえている山賊らを村人に渡し、そう答えた。



   ◇


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