104 防衛最終日
3日が過ぎて、4日目の夕方。
オレ達はこれまで、どうにか村から被害を出さずに防衛してこれた。
結界を直してくれるという行商人は、明日の昼ごろ到着予定なので、実質今夜が防衛最終日となる。
「だいぶ扱いになれましたね。さすがフブキくんです」
「ムーコの教え方がうまいおかげだよ」
オレはここ数日、ムーコから『巴乃流・二刀流刀術』の基礎を教わっていた。
なんでもムーコ曰く、オレは二刀流が向いているらしい。阿修羅骸骨の連撃を何度も捌いたことで、その適正を見いだしたムーコがオレに二刀流を薦めたのだ。
実際オレにその適正があるのかどうかはわからないが、武芸の師であるムーコがそう言うのだから素直に始めてみた。
「今日はこれくらいにして、夜に備えましょうか?」
「そうだな。今夜が最後だし、しっかり防衛しよう」
オレはそう答え、2本の退魔刀を、腰に固定した鞘にしまう。
腰と言っても、侍のようにではない。なんと言えばいいか……背中の腰部分だ。そこに真横に2本、両の手ですぐ抜けるよう左右逆向きに差している。
刀の長さは2本とも60センチ程で、前の退魔刀に比べて短く軽い。『小太刀』と呼ばれるものだそうだ。
ちなみにどうしてこれを手に入れたかというと、ちょうど村にあった退魔刀のうち、この2本が短くて使いにくいと不人気だったので、オレの使っていた退魔刀と交換してもらったのだ。
本当は二刀流がだめだったときの為に『購入』という形をとりたかったのだが、村にある退魔刀の本数があまり減るのも困るらしく、交換となったのだ。
まぁ、村人さんも喜んでくれたし良しとしよう。
オレもここ数日この小太刀を使ってみて、その使いやすさに、かなり満足している。
物々交換ってすばらしい。
それに──この小太刀による二刀流。
これは、『るろ剣』の主人公と言っても過言ではないキャラが愛用していた武器なのだ。恥ずかしい話、個人的にちょっと燃えるというのもある。
まぁ実践的にも、小太刀は軽くて片手でも扱いやすい。
腕力に自信のないオレが二刀流をやるには、ちょうど良かった。




