103 仮眠後
一時間後。
ナタリに起こされる。
「ふぃー。ナタリありがと。だいぶ回復した」
「どういたしまして」
ナタリはご機嫌である。なんだか変にニヤニヤしている。
「襲撃なかったのか?」
「あったよ。面山賊が3体来たけど、ムーコ姉が一人ですぐ倒した」
「そうか……」
相変わらず凄いな。
「あと、さっき腰抜かした村人さんも、今日は無理だけど明日からまた防衛に参加出来るって」
「……そうか」
大事なさそうで良かった。
「わかった。じゃあ、ゆっくり休んでくれナタリ」
「うんおやすみー」
テントから出て見張り場に行くとムーコがいた。
「おつかれムーコ」
「おつかれさまですフブキくん」
なんだかムーコもご機嫌だった。
なんだ? なにか良いことでもあったのだろうか。
「ふふふ。フブキくんのお気持ちうれしいです」
「ん?」
なにを言ってんるだこいつは……?
意味分からんとムーコを見ると、彼女が地面を指し示す。
そこにはナタリと描いた、似顔絵の落書きがあった。
「げっ」
しかも、しっかりとオレ絵からムーコ絵へと伸びる矢印に、『たいせつ』と書かれたままである。
こ、これは……。
流石に少し恥ずかしい……。
「では一緒に見張りをよろしくお願いしますね、フブキくん」
そういってニコニコ微笑むムーコ。
「ああ……よろしく」
オレは羞恥に苦しみ、どうにかそう答えた。
それから明け方前の4時まで、同じように交代しながら見張りを続けた。
襲撃は面山賊が5体に、骸骨が20体程度。
南面の畑の方は、一晩通して面山賊が2体のみだったそうだ。
特に怪我人はなし。
とりあえず無事に、初日の防衛任務を果たせることが出来た。
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