102 反省
「お怪我はないですかフブキくん」
「ああ、大丈夫……。怪我はない」
でも…………。
運が良かっただけだ。
あの骸骨。阿修羅骸骨の連撃は、かなり早かった。一度でもミスれば大怪我につながったかも知れない。
「ご無事で良かったです」
そう言って、ムーコがほっとした表情を見せた。
幸い腰を抜かした村人さんも怪我はなく、ヤナギダさん達が来て彼を家まで運んでいく。
「ごめんムーコ。……油断した」
オレはムーコに謝る。
ていうか、慢心したのかも。
慣れた敵。骸骨。
それで問題はないと判断した。
でもその判断が、村人さんを危険な目に遭わせてしまった。
黄泉返りには、解らないことの方が多いというのに……。
「フブキくんは、私を少しでも休ませようとしてくれたのでしょう。おかげで山歩きの疲れはすっかりとれました」
「ムーコ……」
「大丈夫です。幸いこちらに怪我人はなく、村人さんも無事です。『村を守る』という目的は出来ていますよ」
そう言って、微笑むムーコ。
確かにそうだが……。
「骸骨でも未知のモノがいる。今後はそれも気をつけていけば問題ないでしょう」
ムーコ……。
「それに、多少予測してない困難に見舞われても、それを乗り越える強さ、というのも大切です。今回フブキくんは、不測の事態にも関わらず村人さんを守り、無事困難を乗り越えました。誠にお見事だと思います」
そう言って、誉めてくるムーコ。
……なんだが甘やかしすぎである。
「それにしても、フブキくん。よくあの骸骨の攻撃を捌けられましたね」
「え……ああ、それは何とか。退魔刀一本借りれたし」
「普通は二本あっても捌ききれないと思うのですが」
「そうか? 気合いでなんとかなったぞ」
「……もしかしたらフブキくんは、動体視力や反射神経が良いのかも知れませんね」
「……そうかな?」
「はい。少なくとも私は、あんな至近距離であれだけの攻撃を捌けません」
「えっ。そうなの?」
「はい。薙刀だからというのもありますが、たとえ私がフブキくんと同じ2本の退魔刀を手にしたとしてもあそこまでは無理です」
「そうなんだ……。いや、でもオレだいぶ危なかったし、マグレのようなもんだよ。次やったら痛い目みるだろうから、もうあんな状況にならないよう考えなくちゃだ」
「そうですか……」
それから次の見張り交代だが、「フブ兄が先に休んでいい」とナタリに言われたので、その言葉に甘えて先にテントに入る。
ちょっと骸骨戦で神経使いまくって疲れた。
山歩きの疲れもあり、あっという間に意識が落ちた。




