100 オレとナタリと村人の防衛戦
ナタリと見張りをはじめて40分程。
聞き慣れた音を耳にする。
がちゃがちゃと鎧の擦れる音。
──骸骨だ。
それが森の奥から姿を現す。
「フブ兄、骸骨だ」
「ああ……」
いきなり聞いてた話と違う。
村には面山賊と『落ち武者だるま』って黄泉返りだけと聞いていた。
でも黄泉返りは怨霊が実体化した存在だ。人を見かけたら襲うだけの化け物。予測通りにはいかないだろう。むしろ戦いなれた骸骨は有り難い。
「ムーコ姉起こしてくる?」
「いや……骸骨数体だ。オレ達だけでやれるだろう」
「そうだね」
見た感じ、やってくる骸骨に強そうなものはいない。問題ないだろう。
骸骨の強さは、大きく分けて三種類に分類される。
1つは『手ぶら骸骨』。噛みついてくるだけの骸骨だ。
これは武芸経験のなかったオレでも、倒せた程度の強さだ。
2つ目は『武器持ち骸骨』。これは刃物を個人の才能頼りで振り回してくるだけの骸骨。ある程度、武芸をちゃんと学んだ人間なら、割と簡単に倒せる強さだ。
そして最後は『武芸者骸骨』。これはその名の通り、武芸の心得がある骸骨だ。素人ではまず勝てない程強く、討伐にはそれなりの技量が必要となる。
「良い訓練になる。まずは基本に忠実にやろう」
オレがそう言って退魔刀を抜くと、
「おっけー」
と、ナタリも金剛杖を構える。
ナタリも骸骨相手に、もはや遅れをとることはなくなった。ごくごく稀にやっかいな奴もいるが、それはオレが引き受ければ良い。問題ないだろう。
同じく見張りについていた退魔刀を持つ村人がこちらへ来る。
彼も弱い骸骨なら一人で倒せるらしい。
一緒に討伐することになる。




