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それはたった10分間の話

作者: 勧悪のひーろーK

………

勇者は考えていた。

何度も繰り返せば、何時か誰もが手を打って喜ぶような素晴らしい結末がやって来ると信じて、

私はこの絶望的な10年間を過ごし続けている。


…私の求めている結末というのは何なのか、それを忘れてはならないから書きつける。

悪者を懲らしめて、場合によっては終わりなき微睡を与えて、果たしてそれで良かったのだろうかと。

つまり全てに救いを与える事にはならないのではないかと。


…ふと考えてしまった。世界はその瞬間から動かなくなった。

急に足どりが重くなる。視界が揺れる。耳はポーーという。

手は赤く鉄のような色がかさかさする。ちらちらする。


…今回もまた「最高の結果」を得たというのに何も満たされない。

ここまでに何があったか、それは特筆すべき事でもない。ただ道の先に障害がありそれを退けただけだ。

今までやってきた全ての事は果たして合っていたのか、誰も教えてはくれない。

戻ればきっとただ大きな歓声に包まれるだけだ。「よくやった」「素晴らしい」

何に対してそんな事が言えようか。今のこの姿を見たらきっと悲鳴をあげるに違いない。


…そうやって私は今まで、この大きな塊の前で自らを罰してきたのだ。

違う。私はこのまま戻る。この目の前にいる存在は、やはり悪い事をした。

彼の悪行は誰かによって裁かれねばならない。


…なら私は?


…ふと考えてしまった。世界はその瞬間から動かなくなった。

急に足どりが重くなる。視界が揺れる。耳はポーーという。

手は赤く鉄のような色がかさかさする。ちらちらする。


…危ない、袋小路に入る所だった。思考は即ち力だが、そう、度を過ぎた力、ある意味では

知識もそうだがそれらは不幸を呼ぶ時がある。彼はそれに溺れてしまったのだ。

溺れる者は、自分が溺れているのだと分からないのだ。


…………


………



…………………………









>セーブしますか?

>はい


…ふと考えてしまった。世界はその瞬間から動かなくなった。

急に足どりが重くなる。視界が揺れる。耳はポーーという。

手は赤く鉄のような色がかさかさする。ちらちらする。


>セーブしますか?

>はい


…ふと考えてしまった。世界はその瞬間から動かなくなった。

急に足どりが重くなる。視界が揺れる。耳はポーーという。

手は赤く鉄のような色がかさかさする。ちらちらする。


>セーブしますか?

>いいえ


後ろに…誰かいるね?

丁度良い。

私は何者か君に教えてあげよう。

私は勇者だ。完璧な未来を求め続ける者だ。

全ての悪が消え

全ての者の心に正義の使者が訪れんことのみを切に信じ続ける者だ。

君は私の後ろにいる。しかしあえて聞かせてもらおう。







<君はわたしの前に立ち塞がるものか、田舎を。>



…………っ……

……ふふ………

……反則だろうが時間返せァァァァァァ‼︎






まさかの大どんでん返しッ!!!

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