1章ー4「反抗」
私は・・・今まで何の力にもなれないと思っていた・・・。誰にも感謝すらされないから私は・・・無力だと・・・思っていたんだ・・・。実際私は少年の命一人救う事すらできない・・・だけど・・・だけど・・・そんな私に感謝して・・・頼ってくれる人が・・・目の前にいたんだ・・・
私はさらに涙が溢れてくる・・・こらえきれなかったけども、笑顔で答えた
「もちろんだよ龍一‼」
「ダメです‼」
突然脳内に声が響く。こんなことができるのはガヴリエルさんだけだ。
「協力したい気持ちはわかりますが、もし龍一が友子に本当の気持ちを伝えてしまえば「幸せ平等の定理」が乱れます!今すぐに・・・
龍一を処刑して天使としての役職を全うしなさい‼」
私は・・・天使だ・・・。だから天使として龍一を殺さなくてはいけない。・・・でも、どうして龍一が殺されなきゃダメなんだ!?「幸せ平等の定理」って何だよ!別にもっと長生きしているほかの人でも・・・いいじゃないか・・・。私を初めて認めてくれた・・・私に初めて感謝してくれた・・・龍一・・・私は・・・どうしたらいい?
ふと思ったんだ・・・もし龍一を殺したら一生後悔するって・・・龍一を殺した後、きっと天使の仕事なんてできやしないって・・・なら・・・・
私は決意した。そしてガヴリエルに啖呵を切る
「何が天使だ!」
「!?」
ガヴリエルは驚く
「何が天使だ!一人の人間も救えずに何が天使だ‼そんなもの・・・私は天使〔そんなもの〕辞めてやるよ‼」
天使じゃなくなったていい‼この後処刑されてもいい‼例えされたとしても私は‼龍一の最後の願いを叶えて見せる‼
「ごめん龍一‼本当に時間がない‼急いで友子のもとへ向かおう‼」
「あん!?話をききなさ・・・」
プツッ
私はガヴリエルからの連絡を切って龍一と駅へ走った。
何が「幸せ平等の定理」だ・・・12歳で好きな人とも仲直りができないまま・・・死んでしまうのが平等だっていうの・・・?
そんなの・・・
絶対におかしい‼
天界にはガヴリエルの慌てふためく姿があった。
「ああ・・・ダメです・・・ダメです・・・このままでは長年の定理が・・・崩れてしまいます・・・」
そしてしばらく考えガヴリエルは4級天使ウリエルを呼び出し話し合いをした。
「それでは・・・ウリエル・・・頼みましたよ」
「ああ・・・任せてくれ・・・」
そういってウリエルは下界へ降りようとするが・・・
「待ってお姉ちゃん‼」
リリィが走って息を切らせながらウリエルを呼び止める。
「何?」
ウリエルは振り返りもせず歩く足を止め冷たく返した
「はぁ・・・はぁ・・・。
どうか・・・お願いだから・・・・
あんを・・・殺さないであげて・・・」
ウリエルはリリィの方に振り向き微笑してこう言った
「できればそうしたいわ。・・・でも、それは相手の出方次第ね。私は最善を尽くすのみよ」
次回から2章に入ります。
2章からは本格的なバトルもするつもりですのでよろしくお願いします‼