3章ー1「心」
「馬鹿め!もつれている間に「覚悟の剣」で刺しころ・・・」
突然ウリエルの首元に黒い刃が現れる
「今まで本当にありがとうございました。
私が遊びに来たときは優しくしてくれて、
一人っ子で特殊な能力の私なんかの面倒を見てくれて・・・
本当のお姉さんのような存在だったよ・・・」
「あ・・・・あん!?」
2人がもつれ倒れているところあんは「覚悟の剣」をウリエルの首元に突き付け見下ろしていた。
そして涙を流しながらも笑顔で・・・
「じゃあね」
ザンッ
「なぁ・・・俺たち・・・これで本当にあってるよな?」
あんと龍一は金色の粉がキラキラと舞う商店街の丘のてっぺんに佇んでいた。
天使は「覚悟の剣」で急所を斬られた場合のみ死ぬ。そして、死んだ天使は金色の粉となる。
ウリエルの形をしていた金の粉たちは風によりもう跡形もなく飛んで行ってしまった。
「何が正しいのかはわからないよ。だって一般的に正しいとされている「幸せ平等の定理」を私は批判したのだから」
「でも、こうしてあんが「幸せ平等の定理」を破って俺を助けたおかげで俺は生きている。ありがとな。
もし、無事に友子に気持ちを伝えられたら・・・俺はそのあとどうしたらいいんだろうか・・・。時々思うよ」
「そっか。私ももう天使じゃないからね・・・。龍一の願いを叶えた後のことなんて考えてもないや笑
だけど、なんかうまくいくような気がするんだ」
「奇遇だな。俺もだ」
爽やかな風が二人の間を通り抜ける。この商店街の丘を下れば友子の家に着く。そして目的を達成すれば旅はお終い。なんだか少し寂しい気分だ。
だけど、ゆっくりなんてしてられない。次の使徒が来る前に目的を達成しなきゃ。
「龍一、先のことは目的を達成できたら二人で考えようよ‼
お互い定理から外れた存在なんだし。さぁ、龍一の願いはすぐそこだ。行くよ‼」
「そうだね。二人ならきっとどんな状況でも生きていける気がするよ!」
二人は進む。前を向いて
「ハァッ、ハァッ・・・」
「龍一・・・落ち着いて。もう君は小学6年生だろ?」
2人は友子の家の前に来ていた。
「わかってるっ‼俺がやることもわかっている。だけど・・・頭ではわかっていても・・・心が許さないんだ・・・。自分でどれだけひどいことをしたかわかっているからこそ、今更会うなんておかしいと思ってる自分がいるんだ‼」
インターホンを鳴らさずに龍一は家の前で硬直していた。
「龍一・・・。これは自分との戦いだよ。今友子に会わなくて本当にいいのかい?」
「ダメに決まっている。わかっているって言ってる。今言わなくては一生後悔する!だけど・・・」
「龍一、心っていう体の器官なんて存在しないんだ。人間て不思議だよね、精神的に傷ついた時胸が痛くなり、胸が締め付けられ、あたかもそこに心って言う器官が存在するかのように振る舞う。
頭で理解しているんだろ?心ってのは頭の中にある脳が作り出した幻想にすぎないよ?」
「うるさいな!難しい事ばっかいったって俺の体が動かないんだよ!」
そういうとあんはそっと龍一の手の上に自分の手を添えて優しく微笑んだ
「がんばって何て言わないよ。今龍一が頑張ってることは私、わかってるから」
龍一は少し涙を流した。そしてあんにありがとうと何度も言って、涙を拭いて、5分後覚悟を決めた。
そして
ピンポーン




